著者
小田 智敏
出版者
日本哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.51, pp.230-239, 2000-05-01 (Released:2010-01-20)

エルンスト・ブロッホは、しばしば自著のなかで過去の著作からの引用を行なうが、その自己引用はギムナジウム在学中の少年時代の草稿にまで及ぶ。これは、ブロッホが自らの哲学の全体を、青年期に胚胎した思想の一貫した展開・成就と理解している証といえるだろう。この論文で私は、ブロッホの成熟期の著作を参照しつつ、彼の最初期の草稿や著作を検討することによって彼の思想の初発の動機を見定め、ブロッホ哲学の基本的骨格を明らかにしたい。