著者
原田 和生 黒野 友理香 長澤 沙弥 小田 知佳 那須 雄大 若林 孝俊 杉本 幸裕 松浦 秀幸 村中 聡 平田 收正 岡澤 敦司
出版者
日本農薬学会
雑誌
Journal of Pesticide Science (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
pp.D17-036, (Released:2017-10-26)
参考文献数
16
被引用文献数
5

根寄生植物は重要農作物に寄生し収量を低下させるため,世界の食糧生産に深刻な被害を及ぼしている.近年,我々は放線菌Streptomyces ficellusの生産するノジリマイシン(NJ)が根寄生植物種子の発芽を阻害することを見出した.本研究ではS. ficellusのNJ生産性向上を目指した培地改良,および未精製培養物の根寄生植物防除剤としての適用可能性について検討した.従来のNJ生産培地に使用されていたPharmamedia™を他の汎用的な培地成分に置換したところ,マリンブロスによりNJ生産量が向上した.4日間培養を行ったところ,培地中のNJ含量は710 mg/Lに達し,従来の17倍まで向上した.得られた培養液を各寄生植物種子に処理したところ,NJ 標準溶液と同等の発芽阻害活性を示した.本研究で示した当該培養法は根寄生植物防除剤生産開発につながると期待される.