著者
小笠原 輝
出版者
将棋と文学研究会
雑誌
将棋と文学スタディーズ
巻号頁・発行日
vol.2, pp.112-116, 2023

吉井栄治(一九一三~没年不詳)は、将棋界においては朝日新聞社の将棋記者として、また、観戦記者として名を残している。観戦記者としては、『朝日新聞』において「栄」の名義で名人戦の観戦記を九本、順位戦の観戦記を六十二本。『週刊文春』において本名で名将戦の観戦記を十八本書いた。そんな吉井は元々作家志望であり、「北風」「微笑」の二作品で第二十三回直木賞の候補となっている。なかでも「北風」は、関西の将棋界を題材にした将棋小説である。そんな将棋と文学とを行き来した吉井の人物像を、今回は大阪府立高津中学の同級であった織田作之助(一九一三~一九四七)の書簡から感じ取りたい。『定本織田作之助全集第八巻』(文泉堂書店、一九七六年)に収録されている書簡において、吉井が出てくる書簡が残っているのは「杉山平一氏宛」「白崎礼三氏宛」「品川力氏宛」「吉井栄治氏宛」の四名である。順番に見ていく。
著者
藤野 正也 小笠原 輝 大脇 淳
出版者
林業経済学会
雑誌
林業経済研究 (ISSN:02851598)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.16-25, 2020 (Released:2021-03-29)
参考文献数
35

本研究は草原の維持に対する地元住民の意向とそれに影響を与える要因を明らかにすることを目的に,現在も火入れによる草原管理が行われている山梨県南都留郡忍野村忍草区の住民を調査対象として,同地区にある高座山の草原に対する意識に関するアンケート調査を実施した。単純集計の結果,37.9%の住民が草原を現在も利用・管理しているまたは過去に利用・管理した経験があると回答した。また,多くの住民にとって草原が大切であることが明らかになるとともに,草原維持への意向も強いことが明らかとなった。直接利用が少なくても,高座山を間接的に利用していることを住民が認識しやすい状況にあることが影響していると考えられた。さらに,草原への関心度合いに影響を及ぼす要因を二項ロジスティック回帰分析で分析したところ,忍草区で生まれた人の方が草原を大切に思う結果となった。この理由として,地域への帰属意識が醸成される中で,高座山は先祖から引き継いだものであるという意識が醸成された可能性が考えられた。また,草原の直接利用がなくなり,間接利用だけになる場合,草原を維持できると考える人が少なくなることも考えられた。