著者
大脇 淳
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.25-28, 2021-08-31 (Released:2021-09-04)
参考文献数
21

The carcass of a female hairstreak butterfly Chrysozephyrus hisamatsusanus (Nagami & Ishiga) was found at the northern foot of Mt. Fuji, which is east of the current eastern distributional limit of the butterfly. I discuss the dispersal ability and potential of range expansion in this species.
著者
木下 豪太 速水 将人 中濱 直之 大脇 淳 喜田 和孝 小山 信芳 Chistyakov Yuri
出版者
Pro Natura Foundation Japan
雑誌
自然保護助成基金助成成果報告書 (ISSN:24320943)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.22-34, 2023-10-31 (Released:2023-10-31)
参考文献数
30

アサマシジミ北海道亜種は近年急速に生息域が縮小し,2016年に北海道のチョウ類としては初めて種の保存法に基づく「国内希少野生動植物種」に指定された.本研究では,適切な生息環境の管理方法の模索と集団遺伝学的調査を行った.遠軽町の生息地では,本亜種の保全のための草刈りが実施されている.そこで,草刈りの有無が本種とその資源(食草など)に及ぼす影響を調査した.その結果,本種の幼虫と成虫ともに草刈り区で密度(/m2)が有意に高かった.また,食草であるナンテンハギの開花数も草刈り区で多かった.以上から,草刈りの実施は本亜種の保全に有効であると言える.一方,核ゲノムおよびミトコンドリアゲノムの遺伝的多型に基づく解析により,本亜種は本州・サハリン・大陸の系統とは明瞭に区別できることや,北海道内にも遺伝的集団構造が存在することが確認された.また,本亜種の遺伝的多様度は北海道全体で低く,近年の地域個体群の絶滅によって低下傾向にあることも示された.今後,遺伝的集団構造を考慮した保全管理が推奨される.
著者
藤野 正也 小笠原 輝 大脇 淳
出版者
林業経済学会
雑誌
林業経済研究 (ISSN:02851598)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.16-25, 2020 (Released:2021-03-29)
参考文献数
35

本研究は草原の維持に対する地元住民の意向とそれに影響を与える要因を明らかにすることを目的に,現在も火入れによる草原管理が行われている山梨県南都留郡忍野村忍草区の住民を調査対象として,同地区にある高座山の草原に対する意識に関するアンケート調査を実施した。単純集計の結果,37.9%の住民が草原を現在も利用・管理しているまたは過去に利用・管理した経験があると回答した。また,多くの住民にとって草原が大切であることが明らかになるとともに,草原維持への意向も強いことが明らかとなった。直接利用が少なくても,高座山を間接的に利用していることを住民が認識しやすい状況にあることが影響していると考えられた。さらに,草原への関心度合いに影響を及ぼす要因を二項ロジスティック回帰分析で分析したところ,忍草区で生まれた人の方が草原を大切に思う結果となった。この理由として,地域への帰属意識が醸成される中で,高座山は先祖から引き継いだものであるという意識が醸成された可能性が考えられた。また,草原の直接利用がなくなり,間接利用だけになる場合,草原を維持できると考える人が少なくなることも考えられた。
著者
市原 泰博 舩場 貢 古賀 潤弥 土井 謙児 大脇 淳一
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会九州支部会報 (ISSN:02853507)
巻号頁・発行日
no.79, pp.4-7, 2013-05-15

1.気温と日長を用いて出穂期を予測するDVR関数式を検討した.早生品種である「コシヒカリ」,「つや姫」は気温のみまたは気温と日長を気象要素とする関数式が,中生品種である「ヒノヒカリ」,「にこまる」は気温と日長を気象要素とする関数式が出穂期を高い精度で予測することが明らかになった.2.「コシヒカリ」,「つや姫」は気温のみを,「ヒノヒカリ」,「にこまる」は気温と日長を気象要素とするDVR関数式を水稲生育予測システムに採用した.3.新たな生育予測システム用いて適作型を推定した結果,近年の温暖化が進んだ長崎県央平坦部には「ヒノヒカリ」栽培は適応しにくく,「にこまる」栽培は適応できることが明らかになった.