著者
三木 千寿 平林 泰明 時田 英夫 小西 拓洋 柳沼 安俊
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
no.745, pp.105-119, 2003-10-21
被引用文献数
5 5

首都高速道路の鋼製橋脚隅角部に疲労き裂が発見され, その補修対策の検討が進められている. き裂の発見された橋脚は566脚にのぼり, この調査結果を元に損傷データベースを作成し, これを元にき裂状損傷の分析を実施した. 損傷脚のうち比較的大きなき裂を有する253脚について, 溶接ビードの切削を含むき裂状損傷の詳細な調査を実施し, 板組み毎の疲労き裂パターンの分析を実施した. さらに板組み模型による溶接性の検討, 施工試験による確認等を行い, 板組みに起因する未溶着部である固有内在キズがき裂の発生起点となることが判明した. 以上の知見に基づき鋼製橋脚の板組みとき裂パターンの関係について報告する.