著者
上坂 健一郎 時田 英夫 森 猛 内田 大介 島貫 広志 冨永 知徳 増井 隆
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.121-131, 2021 (Released:2021-02-20)
参考文献数
19

首都高速道路は50年以上に渡り重交通下で供用されており,鋼I桁橋の横構ガセットプレートまわし溶接部に多くの疲労き裂が発生している.それらのほとんどは止端に留まっており,バーグラインダで切削除去することで補修を行っている.UITはこれまで止端から発生する疲労き裂の予防保全対策として用いられており,施工が容易で高度な技能を必要としない.本研究では,鋼I桁橋の横構ガセットプレートを想定し,止端から発生した疲労き裂に対するUITの補修効果についてモデル試験体の疲労試験を行うことにより検討した.そして,作用する応力範囲が65N/mm2以下であれば,止端に留まるき裂に対して打撃痕の深さが0.23mm以上となるようにUITを施工することで,疲労寿命は溶接ままの継手の2倍以上になるという結果を得た.
著者
三木 千寿 平林 泰明 時田 英夫 小西 拓洋 柳沼 安俊
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 = Proceedings of JSCE (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
no.745, pp.105-119, 2003-10-21
被引用文献数
5 5

首都高速道路の鋼製橋脚隅角部に疲労き裂が発見され, その補修対策の検討が進められている. き裂の発見された橋脚は566脚にのぼり, この調査結果を元に損傷データベースを作成し, これを元にき裂状損傷の分析を実施した. 損傷脚のうち比較的大きなき裂を有する253脚について, 溶接ビードの切削を含むき裂状損傷の詳細な調査を実施し, 板組み毎の疲労き裂パターンの分析を実施した. さらに板組み模型による溶接性の検討, 施工試験による確認等を行い, 板組みに起因する未溶着部である固有内在キズがき裂の発生起点となることが判明した. 以上の知見に基づき鋼製橋脚の板組みとき裂パターンの関係について報告する.