著者
丹羽 政美 平松 達 仲田 文昭 濱屋 千佳 小野木 啓人 齋藤 公志郎
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.661-666, 2005 (Released:2006-01-19)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

本研究ではヒトのストレス緩和に果たす咀嚼刺激の機能的有意性をfMRIを用いて検討した。先ず不快な音刺激(ストレス音)を与えた時の脳賦活部位を同定し,次いでこの賦活が咀嚼運動(チューイング)によってどのように影響されるか調べた。またストレス関連物質であるカテコールアミンとACTHの血中濃度を分析した。チューイングは適度な硬度を有するガムベース(Xタイプ,ロッテ)を使用して行なった。その結果,ストレス音刺激によって扁桃体と前頭連合野腹側部が有意に賦活された。またカテコールアミンとACTHの血中濃度の僅かな上昇が認められた。しかし脳と血中に見られたこれらのストレス応答はチューイングにより抑制された。したがって,咀嚼刺激はストレス軽減ためのツールになることが示唆された。
著者
白上 洋平 後藤 尚絵 西脇 伸二 丹羽 優佳里 久保田 全哉 岩下 雅秀 小野木 啓人 林 隆夫 前田 晃男 齋藤 公志郎
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.104, no.9, pp.1377-1382, 2007 (Released:2007-09-05)
参考文献数
29
被引用文献数
2 5

症例は33歳男性.心窩部痛を主訴に来院.上部消化管内視鏡検査にて胃および十二指腸粘膜のびらん,浮腫を指摘され入院となった.入院経過中に,胃十二指腸炎の増悪を認めた.血清抗サイトメガロウイルス(以下CMV)抗体価の上昇と,胃粘膜生検組織にて核内封入体を認め,CMV胃十二指腸炎と診断した.健常成人のCMV感染症において,胃のみならず十二指腸まで病変を認める例は極めてまれであると考え報告する.