著者
尾形 努 高野 和夫 河野 勝 吉田 一樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-I, 通信I-情報通信システム・理論 (ISSN:09151877)
巻号頁・発行日
vol.76, no.10, pp.719-726, 1993-10-25
被引用文献数
3

通信用電源システムには,バックアップ用として鉛蓄電池が使用されている.鉛蓄電池は,通常は維持充電が行われ,停電発生時に放電し,通信機器への電力供給を継続する.停電発生時に,鉛蓄電池から電力を供給できなければ,社会に及ぼす影響ははかりしれないものがあるため,NTTの各事業所は,鉛蓄電池の容量試験を行って,規定の容量以下のものは,取替えを実施している.現在の容量試験法は,作業時間が20時間以上と長時間に及ぶため,保守者の負担が大きく,簡便に行える劣化判定法の確立が強く望まれるようになった.本論文では,鉛蓄電池の劣化のメカニズムを整理し,内部抵抗と劣化,すなわち容量減退が極めて相関性が強いことを説明している.次に,この内部抵抗を求める手段として,極めて短時間の充放電特性測定が有効であることを述べ,500μs以下の充放電特性測定から求めた内部抵抗と容量の相関性が極めて強いことを明らかにし,これらの相関図より劣化判定が可能であることを述べている.
著者
石沢 真樹 鍬田 豊 木全 活久 青木 忠一 尾形 努
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PE, 電子通信用電源技術
巻号頁・発行日
vol.96, no.277, pp.15-21, 1996-09-27
被引用文献数
1

NTTは、低騒音で、クリーンに発電する3タイプ(直流出力タイプ、交流出力タイプ、蓄電池内蔵タイプ)のポータブル燃料電池を開発した。このポータブル燃料電池は、小形燃料電池セル、水素ボンベ、電力変換装置、制御装置類をきょう体に収容したもので、容易に運搬可能な実装形態とした。容積6.7リットルの水素ボンべを2本用い、200〜250ワットで6時間以上発電可能である。直流出力タイプは、小容量の通信装置に適したDC55V及び汎用のDC12V、交流出力タイプはAC100V、蓄電池内蔵タイプは、起動と同時にAC100VおよびDC12Vが出力可能であり、室内で運転可能な非常用バックアップ電源として適用できることを明らかにした。