著者
尾鷲 瑞穂 野崎 久美子 張替 香織 村上 章人
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.10, pp.500-505, 2018-10-01 (Released:2018-10-01)

国立環境研究所は,多岐に渡る分野の環境研究を実施している環境省所管の国立研究開発法人である。研究所のオープンアクセス推進のため,平成29年度より,論文の出版に要する費用(APC(Article processing charge))の助成制度について検討が行われている。検討に用いるデータとして,オープンアクセス実態調査」を実施し,研究所で生産された論文等の研究成果がオープンアクセスになっている割合やオープンにするために要したAPC支払いの推計を行った。その結果,調査対象とした平成23年度,平成28年度ともに70%の論文がオープンアクセスになっている一方で,APCの価格が高いハイブリッドジャーナルへの掲載が増え,その支払い金額も増加傾向にあることがわかった。
著者
尾鷲 瑞穂
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.549-550, 2017-03-16

国立環境研究所では、2012年より剽窃チェックソフトのiThenticateを導入し、研究員向けにサービスの提供を行っている。昨今の論文の盗用や剽窃に対しての問題意識の高まりで、ID取得の申請は増えているが、実際に利用する段階で戸惑い、問い合わせがくることが多かった。そこで、ID取得の申請から利用までがスムースに行えるよう、2014年6月から利用講習会を毎月開催し、アンケート調査を実施した。その結果、ソフトの操作は容易で、操作マニュアルで概ねの操作が出来るようになる一方で、出力された結果の評価の解釈で戸惑うケースが多いこと、また、利用する場面(投稿、査読、編集)の違いによって、その理由が異なってくることがわかった。
著者
尾鷲 瑞穂
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.171-174, 2019-03-15 (Released:2019-06-01)
参考文献数
5

オープンサイエンスの潮流が広がる中、研究データの公開とその方法についても関心が高まっている。科学研究の学術論文投稿時には、その研究を通して生産された研究データの公開が求められ、メタデータと併せて永続的固有識別子であるDOI(Digital Object Identifier)をその研究データに付与することが求められるようになってきている。その際には、データの再利用や引用のしやすさを考慮した上で、その粒度やメタデータへの記載にも留意する必要がある。しかし、その考え方は、分野によっても相違があり、統一した方法があるわけではない。今回は、気象観測データや環境モニタリングなど、先に集積的なデータが公開されており、それを解析して研究を行うようなケースと、社会調査や疫学調査など、データ集計の経過途中で論文が出版されるケースを取り上げ、学術論文の出版を見据えた研究データへのDOI付与の考え方の必要性を報告する。