著者
仲村 一郎 屋良 哲也 伊佐 真徳 宮里 剛成 新垣 勝男 野原 博和 金谷 文則 茨木 邦夫 高良 宏明
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.1084-1087, 2000-09-25
参考文献数
5
被引用文献数
1

Intraspinal osteochondroma is rare. Only 29 intraspinal osteochondromas were reported in the Bone Tumor Registry in Japan from 1972 to 1992 and this accounts for 0.4% of all osteochondromas.<br>We report a case of intraspinal vertebral osteochondroma causing thoracic myelopathy. An 8-year-old boy was noticed to fall down easily on gait by his mother. He showed spastic gait, and one week later he had difficultly in walking progressively. Neurological examination revealed hyperreflexia of both lower extremities, right ankle clonus, positive Babinski signs, and sensory change under the level of Th4. A myelogram demonstrated a right lateral extradural mass with complete spinal block at Th1. Computed tomogram (CT) demonstrated an osseous mass arising from the right facet of Th1/2. A right hemilaminectomy of Th1 was carried out, and the osseous mass including the right superior articular facet of Th2 was excised. No spinal fusion was performed. Histopathologically, it was determined to be a benign osteochondroma. Eight months after surgery, neither recurrence of the tumor nor instability of the spine was seen.
著者
比嘉 勝一郎 山川 慶 島袋 孝尚 金城 英雄 金谷 文則 屋良 哲也 勢理客 久 仲宗根 朝洋 宮里 剛成 野原 博和
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.258-262, 2019

<p>脊椎術後に発生する髄液漏には様々な経過があり,それぞれの状態に応じた治療がなされるが,時として治療に難渋する.今回,脊椎術後に発生した髄液漏の3例を経験したので報告する.【症例1】49歳女性.頚椎神経鞘腫再発に対し手術を施行,術後5週目創部に14 cm大の髄液漏による偽性髄膜瘤を生じた.頭痛はなく頚椎カラーの装用で経過観察行った.著変なく経過したが,腫瘤は術後9ヵ月目に数日で急速に縮小した.【症例2】63歳女性.頚椎後縦靭帯骨化症に対し椎弓形成術を施行,椎弓を持ち上げる際に髄液の漏出があった.術後ドレーン内に髄液を認め髄液漏と診断,腰椎スパイナルドレナージを行い改善した.【症例3】86歳男性.頚椎症性脊髄症の術後感染でデブリドマンを行った際に硬膜を損傷し,術後創部より髄液の漏出が持続した.数回手術を行うも改善しなかったが,ファーラー位を継続したところ徐々に髄液漏は減少し,遊離脂肪移植術を行い改善した.</p>
著者
比嘉 勝一郎 金城 英雄 六角 高祥 伊藝 尚弘 金谷 文則 屋良 哲也 勢理客 久 仲宗根 朝洋
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.738-741, 2017

上殿皮神経障害は,腸骨稜および胸腰筋膜との間で上殿皮神経が挟まれて疼痛を生じる絞扼性障害である.上殿皮神経は1~2 mm径の細い皮神経であるためMRIなどでは確認できず,上殿皮神経障害の画像的な診断は難しいとされている.今回,われわれは上殿皮神経障害の2例に術前超音波検査を行い,絞扼性の神経腫大と思われる所見を認め,診断に有用と考えられたので報告する.【症例1】73歳女性.10年前から誘因なく右腰痛があり当院を受診.右腸骨稜上に強い圧痛があった.腰椎及び骨盤MRIで疼痛の原因となる病変はなかったが,超音波検査で3.5×2 mmの腫瘤を認めた.上殿皮神経障害と診断,保存的治療で改善なく手術を施行,術中所見では上殿皮神経の絞扼と偽性神経腫を認めた.【症例2】38歳男性.1カ月前から誘因なく左腰痛があり当院を受診.左腸骨稜上に強い圧痛があった.疼痛部の超音波検査で&phi;2.8 mmの腫瘤を認めた.上殿皮神経障害と診断し手術を施行,術中所見では上殿皮神経の絞扼と偽性神経腫を認めた.
著者
喜屋武 諒子 勢理客 久 屋良 哲也 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.728-730, 2017

50歳女性.受診数日前から生じた腰痛が急激に増悪し,歩行困難となり当院へ救急搬送された.下肢筋力低下や深部腱反射の減弱・亢進を認めなかった.腰椎X線像ではL5分離滑りを認め,単純MRIのSTIR画像ではL5/S1椎間板の高輝度および両L5椎間孔の狭窄を認めた.高度腰痛が持続したため入院24日目に再度MRIを撮像したところ,L5およびS1椎体にSTIR画像にて高輝度を認め化膿性脊椎炎が疑われた.経過中発熱を認めず,血液検査ではWBC 3900/&mu;L(好中球51%),CRP 0.30 mg/dL,血沈54 mm/1 h,procalcitonin 0.04 ng/mLと炎症所見に乏しく造影MRIでは,L5・S1椎体の淡い造影効果および椎間板の減高を認めるのみであった.以上より化膿性脊椎炎は否定的でありL5/S1不安定性による骨髄浮腫と考えPLIFを施行した.術中検体の培養は陰性で病理所見にて明らかな感染所見は指摘されなかった.術後3ヵ月現在,腰痛なく独歩可能である.
著者
田中 一広 玉城 一 大久保 宏貴 赤嶺 良幸 大城 義竹 屋良 哲也 外間 浩 仲宗根 朝洋 金谷 文則
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.562-565, 2007-09-25
被引用文献数
1 1

比較的まれな特発性一過性大腿骨頭萎縮症の3例を経験したので報告する.【症例1】44歳男性.2週間前ジョギング後より左股関節痛出現,MRIより特発性一過性大腿骨頭萎縮症(以下TOH)と診断された.免荷とし外来にて経過観察していったところ6週後から疼痛は消失,3カ月後のMRIでは異常信号は認められなかった.【症例2】35歳女性.妊娠30週ころより右股関節痛出現,出産後当科外来受診した.MRIにてTOHの診断に至り現在免荷にて外来通院中である.【症例3】32歳男性.1カ月前より右股関節に荷重時疼痛認められ,近医にて加療を受けていたが,症状改善せず当科紹介受診した.可動時痛は認められなかった.MRIによりTOHの診断に至り,外来にて経過観察中である.