著者
山内 功一郎
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

この研究の成果は、アメリカの詩人マイケル・パーマーの主要作品を理解する際に、イタリアの哲学者ジョルジョ・アガンベンの言語論がもっとも有効に活用されうることを証明した点にある。アガンベンの主張によれば、言語の本質は「潜勢力」(実際に言語表現が獲得されない限りにおいてこそ最大限にまで高まる潜在的な言語の能力)の相においてのみ探知されうる。このような認識がパーマーの詩篇中においても重要な役割を果たしていることを確認した上で、この研究は詩人と哲学者の狙いがまず始原的な言語に対する私たちの感性を活性化することにあり、さらにそれによって私たちの存在の基底をめぐる探究を可能にする点にあることを立証した。
著者
今野 喜和人 田村 充正 南 富鎭 桑島 道夫 花方 寿行 山内 功一郎 トーマス エゲンベルク
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

異文化間に生じる「恋愛」「結婚」を扱った世界各国の近現代文学、および「恋愛」「結婚」を語る諸言語テクストの影響関係や翻訳において発生する文化衝突と誤解を多角的に分析し、現代におけるナショナリティ・文化・エスニックグループ、ジェンダー・世代・ミリュー等々の間の政治的・社会的支配/被支配の構造と歴史観を分析・検証することで、「異文化理解」にまつわる諸問題を明らかにした。