著者
土岐 信子 山内 睦子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.24, 2012

<b>目的</b>:本研究は、平成21~23年度に日本調理科学会で行なわれた行事食の全国調査に参画したものである。今回はその中で、筆者らが担当した部分において、大学生の五節句に関して検討を行なった。<b><br>方法</b>:栄養士養成課程の学生89名を対象とし、全国統一調査用紙を用いて2009年12月に実施し、SPSSを用いて分析を行なった。<br><b>結果・考察</b>:コレスポンデンス分析の結果、端午と七夕との間で関連性が示され、端午の行事食の喫食経験者は、七夕の行事食の喫食経験もあることが示された。各節句においては、人日では七草粥の喫食経験者は49.4%と半数を下回った。上巳では、喫食経験の最も高い物はちらしずしの73.0%、最も値の低い物は押しずしの3.4%であった。また、ちらしずしの喫食経験者は、あられも食べていることが示された。端午では、喫食経験の最も高い物はちまきの69.7%、最も低い物は菖蒲酒0.0%であった。また、ちまきの喫食経験者は柏餅も食べていることが示された。七夕では、喫食経験の最も高い物はそうめんの46.1%、最も低い物は煮しめ・ところてんの4.5%であった。また、煮しめの喫食経験者は、ところてんも食べていることが示された。重陽ではいずれも喫食経験率が非常に低く、重陽の行事食は一般的に食されていないと考えられる。今後の課題として、本学が所在する岐阜県東濃地域の行事食について調査を行なって行きたいと考える。