著者
山口 人生
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.57-58, 1997-09-24

世はモーバイルコンピューティング全盛の時代である。ところで、パソコンの小型化とともに、キーボードのキーのサイズも段々と小さくなってきており、パームトップパソコンぐらいになると、両手でキーを打つのが難しくなってきている。もし、パソコンのキーを片手で、さらには指一本、もしくはペンで打つことを仮定したとすると、(両手で操作することを念頭においた)現在のキーボード配列は根本的に合わなくなり、より適したものに変更する必要がある。また、パソコンの大衆化が進むにつれて、キーボードに対する抵抗感の問題が話題になってきている。例えば、日本語入力の場合、従来の英語版キーボードを用いて仮名文字入力を行うよりも、初めから仮名文字のキーを叩くほうが、日本の大衆には適しでいる。しかし、従来のキーボードとは別に日本語版キーボードを配置するのは無理がある。できれば、この点を解決して、賛沢な入力環境を手に入れたい。一方、従来の電子手帳では、各社ごと、各製品ごとに様々な入力方式を採用していた。これらの入力方式全体に共通する短所として、狭いスペースに一つ何役ものキーを数多く詰め込みすぎるという特徴がある。このような不便な操作環境からの脱出が実現できれば、ユーザサイドから見て、非常に有り難かろう。また、従来の携帯情報端末はペンで画面に直接タッチして入力する方式が主流であったが、画面とは独立した何等かの入力装置を有すると便利なことが多い。特に、文字を入力する際に必要性が痛感される。本発表は、以上に述べた諸課題を一挙に解決する方式に関する。