著者
井口 恵一朗 鶴田 哲也 山口 元吉 羽毛田 則生
出版者
水産総合研究センター
巻号頁・発行日
vol.4, pp.1-6, 2011 (Released:2013-10-08)

長野県佐久地方で、営まれる稲田フナ養殖の現状把握を目的に,アンケート調査を実施した。就業者の平均年齢は70代に近づき,新規の参入は少なかった。フナ仔魚は圃場内の天然餌料で育ち,稲藁や鶏糞の投入によりプランクトンの発生を促す工夫があった。フナの健康が配慮され,抗菌剤や防虫剤の使用は控えられたが,除草剤使用に関して高齢者の間で容認の傾向があった。また,生産者は,低農薬・有機栽培のフナ米に,慣行栽培米にはない付加価値を意識していた。さらに,稲田養魚には,魚飼い喜びや食慣習の地域共有等,経済評価に馴染まない効用が見出された。
著者
井口 恵一朗 鶴田 哲也 山口 元吉 羽毛田 則生
出版者
水産総合研究センター
雑誌
水産技術 (ISSN:18832253)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.1-6, 2011-10

長野県佐久地方で、営まれる稲田フナ養殖の現状把握を目的に,アンケート調査を実施した。就業者の平均年齢は70代に近づき,新規の参入は少なかった。フナ仔魚は圃場内の天然餌料で育ち,稲藁や鶏糞の投入によりプランクトンの発生を促す工夫があった。フナの健康が配慮され,抗菌剤や防虫剤の使用は控えられたが,除草剤使用に関して高齢者の間で容認の傾向があった。また,生産者は,低農薬・有機栽培のフナ米に,慣行栽培米にはない付加価値を意識していた。さらに,稲田養魚には,魚飼い喜びや食慣習の地域共有等,経済評価に馴染まない効用が見出された。
著者
鈴木 亮 山口 元吉
出版者
日本水産増殖学会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3-4, pp.135-139, 1975-03-25 (Released:2010-09-07)
参考文献数
13

1) ドジョウの雌親に, ゴナトロピンを種々の量注射して後, 種々の水温に保ち, 放卵魚率, 放卵が起こるまでに要する時間, 卵の受精率やふ化率を調査した。2) 注射後親魚を収容する際の水温が高い程, 放卵魚率の高い傾向がみられ, 25℃以上では, 体重1g当り5.0I.U.付近が適性注射量であるものと思われる。3) 注射後親魚を収容する際の水温と, 放卵が起こるまでに要する時間との間には相関がみられ, しかも20℃以下では, 個体による時間のバラツキがきわめて大きく, 25℃以上では, そのバラツキが小さかった。4) 20℃と25℃に保った親魚から得た卵は, 15℃と30℃に保った親魚からの卵よりも高い受精率やふ化率を示した。5) 以上の結果から, ドジョウの人工採卵に際して, ホルモン注射後水温を25℃前後に保つことが, もっとも得策であるように思われる。