- 著者
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鈴木 亮
山口 元吉
- 出版者
- 日本水産増殖学会
- 雑誌
- 水産増殖 (ISSN:03714217)
- 巻号頁・発行日
- vol.22, no.3-4, pp.135-139, 1975-03-25 (Released:2010-09-07)
- 参考文献数
- 13
1) ドジョウの雌親に, ゴナトロピンを種々の量注射して後, 種々の水温に保ち, 放卵魚率, 放卵が起こるまでに要する時間, 卵の受精率やふ化率を調査した。2) 注射後親魚を収容する際の水温が高い程, 放卵魚率の高い傾向がみられ, 25℃以上では, 体重1g当り5.0I.U.付近が適性注射量であるものと思われる。3) 注射後親魚を収容する際の水温と, 放卵が起こるまでに要する時間との間には相関がみられ, しかも20℃以下では, 個体による時間のバラツキがきわめて大きく, 25℃以上では, そのバラツキが小さかった。4) 20℃と25℃に保った親魚から得た卵は, 15℃と30℃に保った親魚からの卵よりも高い受精率やふ化率を示した。5) 以上の結果から, ドジョウの人工採卵に際して, ホルモン注射後水温を25℃前後に保つことが, もっとも得策であるように思われる。