著者
伊東 尚史 毛良 明夫 村田 寿 吉田 照豊 境 正 山内 清 山崎 義弘 山口 登喜夫 宇川 正治
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.50-54, 2000-01-15 (Released:2008-02-01)
参考文献数
16
被引用文献数
5 7

ブリの細菌性溶血性黄疸と酸化ストレスとの係わりを明らかにするため, ブリに原因菌を接種後, 肝臓および血漿の脂質過酸化の程度を調べた。その結果, 著しい溶血と黄疸を引き起こした病魚は, 対照区と比較して脂質過酸化が顕著に進行していた。すなわち, 黄疸ブリは過酷な酸化ストレスを受けていた。したがって, ブリの細菌性溶血性黄疸は, 溶血による酸化ストレスの増加により発症すると考えられる。
著者
伊東 尚史 村田 寿 大山 剛 吉田 照豊 境 正 山内 清 山口 登喜夫 宇川 正治
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.298-299, 2000-03-15 (Released:2008-02-01)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

ブリの細菌性溶血性黄疸の症状を, アスコルビン酸(AsA)給与により軽減できることを明らかにするため, AsAカルシウム塩を94mg/100g配合されたシングルモイスト飼料(1区)を対照とし, これに外割で2%L(+)-アスコルビン酸を加えた高AsA飼料(2区)を5日間ブリに給与後, 黄疸原因菌を接種した。原因菌の接種によりすべてのブリで黄疸が発症したが, 高AsA飼料給与区の肝臓および血漿のAsA含量は, 対照区の値と比べ著しく減少した。黄疸発症魚の血液ヘモグロビン含量の減少, 比肝重値および比脾臓重値の増加および血漿ビリルビン含量の増加は, それぞれ1区に比べ2区の方が抑制された。すなわち, 高AsA飼料の短期間給与により, ブリの細菌性溶血性黄疸の症状を軽減できた。