著者
古谷 昭雄 山口 眞由
出版者
学校法人 天満学園 太成学院大学
雑誌
太成学院大学紀要 (ISSN:13490966)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.151-156, 2007-03-31 (Released:2017-05-10)

毛髪は法医学上、個人識別を行う基本的事項としてきわめて重要である。今回は毛髪の物理学的性状について引張強度と伸張率について年齢群別正常標準値の算出を行った。引張強度については、正常標準値の結果から10歳-19歳の年齢群を最高値に、以後の年齢群については加齢にともなって漸減の傾向がみられ、60歳以上では最低値を示した。男女とも幼年期には弱いが、少年期、青年期に強く、壮年期、老年期に近づくにつれて次第に弱くなっていった。伸張率については正常標準値の結果から10歳未満から加齢にともなって増大し、60歳以上では最高値を示した。加齢とともに少しずつ増大し、60歳以上で最高値を示したことは加齢が進むにつれて水分の吸収がよくなり、しなやかで弾力性がよくなってくるのではないかと推測される。今回の引張試験により個人識別が容易にできる可能性がある示唆をあたえてくれた。
著者
山口 眞由 古谷 昭雄
出版者
太成学院大学
雑誌
太成学院大学紀要 (ISSN:13490966)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.207-214, 2007-03-31

CAGリピート病SCA1の責任遺伝子の多型性とCAT配列の挿入および遺伝様式について健常日本人の四世代からなる家系とこの家系以外の血縁のない健常日本人のDNA試料を用いて検討を行った。この家系においてはすべてのアリルにCAT配列の挿入がCAGリピート中に認められ、構造多型も含め、10種の異なるアリルが存在し、いずれもメンデル遺伝に従うものであった。血縁のない他の健常人からはCAGリピート中にCAT配列の挿入がないアリル2種とCAT配列の挿入がある新たなアリル1種を見出した。本研究で検出したアリルはトリプレットの繰り返し数が20〜31回の範囲内の計13種で、ヘテロ接合度は0.83であり、多型性に富むことが明らかとなった。また、CAT配列の挿入したアリルは制限酵素SfaNIによるRFLP分析で容易に識別することができた。
著者
古谷 昭雄 山口 眞由
出版者
太成学院大学
雑誌
太成学院大学紀要 (ISSN:13490966)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.151-156, 2007-03-31

毛髪は法医学上、個人識別を行う基本的事項としてきわめて重要である。今回は毛髪の物理学的性状について引張強度と伸張率について年齢群別正常標準値の算出を行った。引張強度については、正常標準値の結果から10歳-19歳の年齢群を最高値に、以後の年齢群については加齢にともなって漸減の傾向がみられ、60歳以上では最低値を示した。男女とも幼年期には弱いが、少年期、青年期に強く、壮年期、老年期に近づくにつれて次第に弱くなっていった。伸張率については正常標準値の結果から10歳未満から加齢にともなって増大し、60歳以上では最高値を示した。加齢とともに少しずつ増大し、60歳以上で最高値を示したことは加齢が進むにつれて水分の吸収がよくなり、しなやかで弾力性がよくなってくるのではないかと推測される。今回の引張試験により個人識別が容易にできる可能性がある示唆をあたえてくれた。