著者
小濱 健吾 山岸 拓歩 橋詰 遼太 田山 聡 貝戸 清之
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.9, pp.22-00101, 2023 (Released:2023-09-20)
参考文献数
21

降雨に伴う斜面災害に対する道路利用者の安全を確保するために,適切な通行規制の実施が重要となる.本研究では,通行規制の基準となる雨量指標値の設定のために提案されている通行規制基準値の設定方法の枠組みの高度化を図る.具体的に,斜面災害の発生予測モデルとしてハザードモデルを提案し,災害の発生時点を正確に把握できない不可観測性に対処する.また,通行規制に用いるべき雨量指標を土中水分量と降雨強度の観点から検討する.さらに,同モデルに適合したリスク管理指標として「見逃し件数」と「規制時間」を採用し,規制基準値設定モデルを定式化する.最後に,実在する高速道路区間における斜面災害履歴,巡回点検履歴,降雨履歴を用いた適用事例を通して,本研究で提案する方法論の有用性を検証する.