著者
小濱 健吾 中村 秀明 神田 信也 水谷 大二郎 杉崎 光一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
AI・データサイエンス論文集 (ISSN:24359262)
巻号頁・発行日
vol.1, no.J1, pp.261-269, 2020-11-11 (Released:2020-11-18)
参考文献数
48

近年,土木の分野において積極的なAI技術の導入が期待されている.しかしながら,AI技術に関する知識不足は,AI技術の導入による効果の適切な把握や,AI技術を利用するために必要な各種データの収集を困難なものとし,AI技術の導入の障壁となってしまう.本論文は,AI技術を実業務において直面する様々な課題に活用したいと考えている土木技術者のために,教材の作成を目標として,理解に必要となる基礎的な知識の概要を説明する.具体的には,AIという言葉により示されているAI技術を適切にイメージできるようにAIの歴史を説明する.また,AI技術を利用するために必要な考え方やインプット・アウトプットを整理する.最後に,実事例の紹介を通じてAI技術に対する理解の定着を図る.
著者
小濱 健吾 山岸 拓歩 橋詰 遼太 田山 聡 貝戸 清之
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.9, pp.22-00101, 2023 (Released:2023-09-20)
参考文献数
21

降雨に伴う斜面災害に対する道路利用者の安全を確保するために,適切な通行規制の実施が重要となる.本研究では,通行規制の基準となる雨量指標値の設定のために提案されている通行規制基準値の設定方法の枠組みの高度化を図る.具体的に,斜面災害の発生予測モデルとしてハザードモデルを提案し,災害の発生時点を正確に把握できない不可観測性に対処する.また,通行規制に用いるべき雨量指標を土中水分量と降雨強度の観点から検討する.さらに,同モデルに適合したリスク管理指標として「見逃し件数」と「規制時間」を採用し,規制基準値設定モデルを定式化する.最後に,実在する高速道路区間における斜面災害履歴,巡回点検履歴,降雨履歴を用いた適用事例を通して,本研究で提案する方法論の有用性を検証する.
著者
小濱 健吾 吉田 伊織 田山 聡 貝戸 清之
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.7, pp.22-00133, 2023 (Released:2023-07-20)
参考文献数
18

近年では,斜面防災に利用できる多様なモニタリングデータが獲得されている.衛星を用いた測位システムであるRTK-GNSSを活用し,ChangeFinderによる変化点検知手法が提案されているが,実用化のためには適用範囲の拡大が課題として残されている.本研究では,GNSSデータに含まれる測定誤差を処理する手法を新たに提案し,検知精度の向上を試みた.具体的には,マルチパス誤差を除去する恒星日周期補正法と偶然誤差を含むGNSSデータから真の位置を区別する偶然誤差処理モデルを提案し,粒子フィルタによる逐次推定を援用した変化点検知を行う.さらに,実際の高速道路において観測されたGNSSデータを用いて検証し,斜面の変位量が標本標準偏差の1.5倍を超える場合に変化点を検知できることを示した.
著者
宮﨑 文平 風戸 崇之 濵梶 方希 小濱 健吾 貝戸 清之
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E1(舗装工学) (ISSN:21856559)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.I_175-I_183, 2013 (Released:2014-03-06)
参考文献数
10
被引用文献数
4

近年,高速道路では標準的な舗装路面として高機能舗装が採用されている.これに伴い,密粒舗装が主流であった時期に策定された従来の路面管理基準では,舗装路面の状態を十分に評価することが困難となってきている.本研究では,評価長と評価指標という観点から現在の路面管理基準の妥当性と,最適な路面管理基準について検討する.具体的には,現在の我が国の道路舗装の維持管理における,路面性状調査の結果による健全度評価と現場の補修要否判断の乖離の問題を説明する.その際,密粒舗装と高機能舗装それぞれの劣化過程の相違に触れ,評価長と評価指標という観点から現在の路面管理基準の問題点を指摘する.その上で,供用中の高速道路で獲得された路面性状データを用いた実証分析を実施し,最適な路面管理基準について検証する.