著者
阿部 貴弘 山岸 祐子 鈴木 杏子 菊原 綾乃
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.7, pp.22-00264, 2023 (Released:2023-07-20)
参考文献数
9

東京都青梅市を流れる多摩川は,かつては筏流しや渡し船,現在でも子供の川遊びやカヌー,ボルダリングなど,生活や生業,レクリエーションの場として盛んに利用されてきた.そうした利用を反映して,多摩川及び多摩川沿いの地形地物には,地名とは異なる多数の呼び名が付けられてきた. 本研究では,こうした呼び名について,文献調査やヒアリング調査に基づき網羅的に抽出するとともに,それらを対象物,由来,呼称者の視点から分類・整理した.さらに,各視点から相互にクロス分析を行い,呼び名の特徴を明らかにした.そのうえで,名付けの動機に着目した分析から,呼び名の意義を明らかにした.これらは,呼び名を通した河川特性の理解はもとより,今後の河川利用の促進や人々と河川との関係の再構築にも資する研究成果である.