著者
阿部 貴弘 山岸 祐子 鈴木 杏子 菊原 綾乃
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.7, pp.22-00264, 2023 (Released:2023-07-20)
参考文献数
9

東京都青梅市を流れる多摩川は,かつては筏流しや渡し船,現在でも子供の川遊びやカヌー,ボルダリングなど,生活や生業,レクリエーションの場として盛んに利用されてきた.そうした利用を反映して,多摩川及び多摩川沿いの地形地物には,地名とは異なる多数の呼び名が付けられてきた. 本研究では,こうした呼び名について,文献調査やヒアリング調査に基づき網羅的に抽出するとともに,それらを対象物,由来,呼称者の視点から分類・整理した.さらに,各視点から相互にクロス分析を行い,呼び名の特徴を明らかにした.そのうえで,名付けの動機に着目した分析から,呼び名の意義を明らかにした.これらは,呼び名を通した河川特性の理解はもとより,今後の河川利用の促進や人々と河川との関係の再構築にも資する研究成果である.
著者
野中 美貴子 阿部 貴弘
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.22-00016, 2023 (Released:2023-02-20)
参考文献数
7

近年,インフラを観光対象としたインフラツーリズムが全国で展開されはじめている.インフラツーリズムは,インフラへの理解促進とともに,周辺地域の活性化や観光振興につながる取り組みとして期待されている.本研究では,全国のインフラツーリズムを対象に,アンケート調査,ヒアリング調査,さらに現地調査に基づき,対象施設ごとの取り組み内容や発現効果を把握し,インフラツーリズムの効果を類型化するとともに,取り組みと効果との関係や,効果の相互関係について考察した.これらの成果は,インフラツーリズムの効率的かつ円滑な実践に資する研究成果であると考える.
著者
阿部 貴弘 篠原 修
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D2(土木史)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.1-10, 2012

近世城下町大坂の町人地は,堀川網や背割下水と呼ばれる下水路網などのインフラが実に見事に整備された,水系を骨格とする日本独自の大変興味深い都市構造を有していた.本研究では,こうした城下町大坂の町人地のうち,いまだ設計論理の解明されていない上町地区を対象として,近代測量図の地図計測による定量的分析という新たな方法論に基づく分析を行い,町割の基軸及びモジュール,設計単位,さらに開発過程を明らかにし,地区の設計論理を読み解いた.