著者
山崎 のぞみ
出版者
関西外国語大学
雑誌
研究論集 (ISSN:03881067)
巻号頁・発行日
vol.101, pp.21-39, 2015-03

本稿は、英語の話し言葉コーパスを英語教育に応用する様々な方法や問題点を模索し、特に、自然発生的な会話に特徴的な相互行為的特徴(言い淀みや言い直しなどの非流ちょう性の言語現象や、話順交替を含む発話の即興的なやりとりに関わる言語現象)への意識を高める教材として話し言葉コーパスが持つ可能性を探る。 話順交替に関わる相互行為的言語現象を学習者に示す方法として、話し言葉コーパスからある一定の長さの連続した会話を編集なしでそのまま用いる方法を提案する。教材用に創作されることが通常のモデル会話が持つような産出(模倣)の模範としての役割を担わせるのではなく、現実の言語使用の実態に意識を向けさせるための観察材料としてコーパスを利用する。この方法は、学習者に会話の相互行為的な側面への気づきをもたらし、学習者の言語意識を高めることができると主張する。イギリス英語の話し言葉コーパスを用いて実際の利用例も例示している。
著者
山崎 のぞみ
出版者
関西外国語大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2013-08-30

本研究は、口語英語コーパスを利用して会話の相互行為的言語現象(話順交替を含む発話の即興的やりとりに関わる語彙や文法)、特に、並列的に使われるbecause節の談話機能や、別の話者による統語単位(副詞節)の拡張について調査し、それらの使用が、話者同士の即興的な話順交替や協同的談話構築に深く関わっていること示した。さらに、会話の相互行為的な側面に対する学習者の意識を高める教材として話し言葉コーパスが持つ可能性を探り、コーパスの会話を、現実の言語使用の実態に意識を向けさせる観察材料として利用する方法を提案した。