著者
吉岡 幸治郎 山崎 康男
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.52-54, 1983-02-25 (Released:2009-02-12)
参考文献数
6
被引用文献数
9 12

オオクロコガネ成虫の地上への出現と産卵について調査し,次のような結果を得た。1) 成虫は夜間に地上へ出現するが,過去4年とも一晩おきに一斉に出現することが明らかとなった。2) 室内飼育でも野外と同じ晩に一晩おきに出現し,全暗条件下でも48時間ごとの出現周期は維持された。3) 産卵は周期的に出現する日の昼間に,雌1頭あたり平均2∼3個ずつ産まれ,出現日との関係がみられた。
著者
山崎 康男 増田 昭夫
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.218-226, 1982-03-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
36
被引用文献数
2 5

Carbonylations of benzyl alcohol and its related compounds are introduced from synthetical and mechanistic viewpoints in conformity with the authors' investigation. Benzyl alcohol is easily carbonylated to form phenylacetic acid in the presence of rhodium chloride and methyl iodide, and the introduction of an electrodonating group into phenyl ring of the alcohol accelerates the reaction. A mechanistic discussion of the reaction is evolved with reference to the oxidative addition of benzylic halides to palladium complexes. In the reaction of benzyl acetate catalyzed by rhodium chloride and methyl iodide phenylacetic acid is unexpectedly formed as the main product, and a mechanistic proposal for the phenonenon is drawn.
著者
山崎 康男 増田 昭夫 清水 節夫
出版者
工業化学雑誌
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.72, no.6, pp.1323-1326, 1969

硫酸存在下でのトルエンとアセトアルデヒド(Baeyer反応,以後B反応と略す)またはアセチレン(Reichert-Nieuwland反応,以後R-N反応と略す)の反応における生成物は,1-(o-トリル)-1-(p-トリル)エタン(OPD)および1,1-ジ(p-トリル)エタン(PPD)であるが,これらの生成比は両反応においてまったく逆になっている。すなわちB反応ではOPD:22%,PPD:78%であるのに対し,R-N反応ではOPD:73%,PPD:27%(反応温度はいずれも15℃)。そこで,この相違がいかなる反応段階にあるかを明らかにするために,反応の中間生成物がB反応ではメチルトリルカルビノール(MTC)類,またR-N反応ではビニルトルエン(VT)類であると考え,各段階にわけて,生成物の異性体組成を測定した。その結果,両反応におけるOPDとPPDの生成比の逆転はB反応ではMTC類,そしてR-N反応ではVT類が生成される段階にあることがわかった。これはR-N反応において,触媒として用いられる硫酸水銀が配向性に対して特異な影響を与えているために生じたものと考えられる。