- 著者
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荏原 実千代
高橋 伸佳
山崎 正子
赤城 建夫
- 出版者
- 社団法人 日本リハビリテーション医学会
- 雑誌
- リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
- 巻号頁・発行日
- vol.43, no.4, pp.249-258, 2006 (Released:2006-05-01)
- 参考文献数
- 24
- 被引用文献数
-
6
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小児の高次脳機能障害を評価するために必要なコントロール値作成のため,成人用検査を6~18歳の健常児133名に行った.行ったのはウエクスラー記憶検査(WMS-R),Trail making testなどの注意機能検査,Wisconsin card sorting test—慶応—F-S version(WCST)および標準失語症検査(SLTA)である.WMS-Rで記銘力は12歳で16~17歳レベルの90%以上に達していた.注意機能も14歳まで急速に発達し以後ほぼ一定になった.SLTAでは6~7歳で90~100%の正答率を示す項目が多いが,8~12歳で90~100%の正答率に達する項目もあった.一方,WCSTの処理能力は10歳まで向上後思春期に停滞し,16歳以降再び向上する2段階の発達を示した.これらの検査を小児に用いる場合にはWISC-III知能検査と組み合わせて,総合的に評価する必要がある.