著者
渡邉 直樹
出版者
宇都宮大学国際学部
雑誌
宇都宮大学国際学部研究論集 (ISSN:13420364)
巻号頁・発行日
no.16, pp.125-137, 2003-10

Japanologen in Europa und USA betrachten die Meiji-Zeit in Japan, also die Zeit von der Mitte des 19. Jahrhunderts bis zum Anfang des 20. Jahrhunderts, als das Zeitalter der japanischen Aufklarung, und sie nennen als reprasentativen und typischen Vertreter dieser Zeit Yukichi Fukuzawa, der einen grossen Beitrag zur Modernisierung Japans geleistet hatte. Sein Hauptanliegen war, Japanern die europaische Wissenschaft anstatt des in Asien verbreiteten traditionellen Konfuzianismus naher zu bringen, der uber einen Zeitraum von etwa 250 Jahren, der sogenannten Zeit der Tokugawa, die Grundlage japanischer Denkart und Herrschaft gewesen war. Diese Modernisierung Japans versuchte er aus einer Geschichtsanschauung herzuleiten, die damals in Europa von der Ideologie des Imperialismus gepragt war. Das war die Geschichtsanschauung u. a. des Franzosen Guizot oder des Englanders Buckle, die geschichtliche Veranderungen und damit den Zivilisierungsprozess mit dem geistigen Fortschritt der Menschen identifizierten. Es war das Ziel von Fukuzawa, das damalige Japan so zu entwickeln und zivilisieren wie fortschrittliche "Westliche Lander", nicht nur auf sozialem, sondern auch auf geistigem Gebiet. Dazu schien es ihm unabdingbar, die Weltanschauung der Burger und die Gesellschaftstruktur Japans zu verandern. Fortschrittliche und zivilisierte "Westliche Lander" waren fur Fukuzawa zwar bis zu einem gewissen Grad nachahmenswerte Vorbilder, aber eine zu weit gehende Verwestlichung des Landes wollte er vermeiden. Wichtig erschien ihm der Ausbau der Beziehungen zwischen den europaischen Landern und Japan und versuchte besonders das Modell der freien Marktwirtschaft zu ubernehmen, das aber in Japan nur schwer mit der Moralitat des Konfuzianismus in Einklang zu bringen war. Er war kein Idealist, sondern ein Praktiker. Das war die ausschlaggebende Eigenschaft, die den Aufklarer Fukuzawa kennzeichnete. Gegenwartig werden die Verdienste Fukuzawas kontrar beurteilt: Die meisten Forscher in Europa und den USA schatzen den Aufklarer Fukuzawa positiv ein und stimmen darin uberein, dass er bei der Modernisierung Japans in der Meiji-Zeit eine entscheidende Rolle gespielt hatte. Demgegenuber gibt es in Japan kritische Stimmen gegen ihn, die ihm vorwerfen, an der Ideologisierung der Invasionskriege Japans in Asien maβgeblich beteiligt gewesen zu sein. Man konnte diese Vorwurfe auf die Tatsache reduzieren, dass Japaner den wahren Aufklarungsbegriff des Westens und das damit zusammenhangende Kausalitatsprinzip nicht richtig verstanden haben, das doch die Grundlage der wissenschaftlichen Denkart der Aufklarung gewesen war.
著者
赤澤 正人 松本 俊彦 勝又 陽太郎 木谷 雅彦 廣川 聖子 高橋 祥友 川上 憲人 渡邉 直樹 平山 正実 亀山 晶子 横山 由香里 竹島 正
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.550-560, 2010 (Released:2014-06-12)
参考文献数
37
被引用文献数
1

目的 わが国の自殺者数は,平成10年に 3 万人を超えて以降,11年に渡りその水準で推移しており,自殺予防は医療や精神保健福祉の分野に留まらず,大きな社会的課題となっている。本研究では心理学的剖検の手法で情報収集がなされた自殺既遂事例について,死亡時の就労状況から有職者と無職者に分類し,その心理社会的特徴や精神医学的特徴の比較•検討を通じて,自殺既遂者の臨床類型を明らかにし,自殺予防の観点から有職者ならびに無職者に対する介入のポイントを検討することを目的とした。方法 心理学的剖検の手法を用いた「自殺予防と遺族支援のための基礎調査」から得られたデータをもとに分析を行った。調査は,自殺者の家族に対して独自に作成された面接票に準拠し,事前にトレーニングを受講した精神科医師と保健師等の 2 人 1 組の調査員によって半構造化面接にて実施された。本研究で用いた面接票は,家族構成,死亡状況,生活歴,仕事上の問題,経済的問題等に関する質問から構成されていた。なお,各自殺事例の精神医学的診断については,調査員を務めた精神科医師が遺族からの聞き取りによって得られたすべての情報を用いて,DSM-IVに準拠した臨床診断を行った。本研究では,2009年7 月中旬時点で23箇所の都道府県•政令指定都市から収集された自殺事例46事例を対象とした。結果 有職者の自殺者は,40~50代の既婚男性を中心として,アルコールに関連する問題や返済困難な借金といった社会的問題を抱えていた事例が多かった。無職者では,有職者に比べて女性の比率が高く,20~30代の未婚者が多く認められ,有職者にみられたような社会的問題は確認されなかった。また,有職者では死亡時点に罹患していたと推測される精神障害としてアルコール使用障害が多く認められたのに対して,無職者では統合失調症及びその他の精神病性障害が多く認められた。結論 自殺予防の観点から,有職者に対しては,職場におけるメンタルヘルス支援の充実,アルコール使用障害と自殺に関する積極的な啓発と支援の充実,そして債務処理に関わる司法分野と精神保健福祉分野の連携の必要性が示唆された。一方で,無職者に対しては,若い世代の自殺予防に関する啓発と支援の充実,統合失調症と自殺に関する研究の蓄積の必要性が示唆された。
著者
渡邉 直樹
出版者
宇都宮大学
雑誌
宇都宮大学国際学部研究論集 (ISSN:13420364)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.17-26, 1998-06-30

この論文は、ドイツ啓蒙主義固有の性格について主にフランス啓蒙主義との対比において考察したものである。18世紀の初め、ドイツ啓蒙主義の展開はベルリンにおいて最も進んでいた。この発展に寄与したのが、フリードリヒ二世であり、彼はフランス啓蒙主義者たちをベルリンに招聘することによって、ベルリンをパリ以上の啓蒙主義の中心地たらしめようとした。しかしながら、フランス啓蒙主義が政治的方向においてその実際的思想を発展させたのとは異なり、ドイツ啓蒙主義は神学と宗教・哲学的分野、人間の内面性においてその発展的思想を形成した。本論は、デカルトに始まる近代の合理主義者たちの神学における神と存在論の解釈とドイツの代表的啓蒙主義者レッシングの思想を踏まえつつ、このドイツ啓蒙主義固有の宗教的・神学的性格の基本原理を分析したものである。
著者
栗林 景晶 渡邉 直樹
出版者
札幌医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

再生不良性貧血(Aplastic anemia;以下AA)は、汎血球減少症を呈する症候群である。本研究では、AA患者血清中に特異的に発現する8種類の自己抗体を同定した。これらの自己抗体のうち3つは、健常人と比べAA患者で上昇していた。また、免疫抑制療法不応例よりも反応例で自己抗体価は高く、また、それらが高いほど免疫抑制療法に対する奏功率も高かった。これらの自己抗体は、汎血球減少症の中から免疫異常を有する患者を抽出し、免疫抑制療法の効果を予測するマーカーとなると考えられた
著者
渡邉直樹・安部幸志・竹田茂生 安部 幸志 竹田 茂生
出版者
関西国際大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13455311)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.139-148, 2012-03-31

筆者ら3名は平成23年9月5日-8日に,アシスタントとしての大学院生3名および大学院修了生(臨床心理士)1名と共に1-4回生の本学学生27名を引率して兵庫県新温泉町居組地域を訪問し,その後学外講師4名と共に3-4回生の本学学生8名を引率して青森県弘前市を訪問した。 いずれの地域でも学生たちは地域の家庭訪問を行い,高齢者へのインタビュー調査を行った。狙いは自殺の多い両地域で,まずは高齢者の生活のありようを調査し,高齢者が「安心して暮らせる地域づくり」の要因を把握し,その要因を踏まえた生活を多くの住民が実践することが,この地域の自殺者を減らしていくのではないかと考えた。このインタビューのデータは質的研究として解析中であるが,今回はこの事業を行うにあたって説明会に参加した住民から得た調査表の量的解析を行った。その結果地域のいわゆるソーシャルキャピタルと抑うつ得点が負の相関を示すことが明らかとなった。