著者
山嵜 輝 吉川 大介
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、レヴィ過程と時間変更レヴィ過程をファイナンスの諸分野に応用することで、正規分布を基礎とする古典的なファイナンス理論の拡張を試みた。レヴィ過程は非正規な確率過程のクラスであり、資産価格や株式配当の非連続的な変動(ジャンプ)を表現できる。また、時間変更レヴィ過程はレヴィ過程に確率的時間変更を導入した確率過程である。本研究では、デリバティブの価格付け、交換経済における資産価格付け、最適配当政策、U字型プライシング・カーネルの再現の4つの問題を扱った。各問題に対して、数理解析による理論研究と数値シミュレーションによる計算研究を実施して論文にまとめた結果、4本の論文が国際学術誌に掲載された。
著者
山嵜 輝 猪原 健弘 中野 文平
出版者
公益社団法人 日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会論文誌 (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.286-301, 1999
参考文献数
7
被引用文献数
1

党派が形成されるような社会集団での投票による意思決定状況は, 従来, 協力ゲームの特別な形であるシンプルゲームで記述され, 社会選択へのゲーム理論的アプローチとして様々な研究がされてきた. 本論文では, 今まで考慮されてこなかった「意思決定主体の意見の柔軟性」を扱うために「投票者の許容範囲」という概念をシンプルゲームの枠組に導入し, また, 「意見調整ゲーム」や「敗因分析ゲーム」という, 投票状況の新たなモデルを用いることで, 「意思決定主体の意見の柔軟性」が意思決定に与える影響を調べる. 分析の結果, 1)従来のシンプルゲームを用いたモデルは, 本論文で提案する「意見調整ゲーム」の特別な形であること, 2)直接の投票では決定が得られない場面でも, 調整可能な意見が存在しうること, 3)複数の党派の意見の相違は十分な情報交換を行うことで解消できること, そして特に, 4)シンプルゲームの解概念として提案されているコアと決定案の間には「シンプルゲームのコアは各意思決定主体が後悔のない許容範囲を取ったときの安定した代替案の集合である」という関係が成立すること, が明らかになる.