著者
HATOYAMA YUKIO
出版者
公益社団法人 日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会論文誌 (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.164-181, 1977
被引用文献数
3

Discrete time Markov maintenance models are coupled with the theory of control of queues. Each system has an operating machine, spare machines and a repair facility. A decision maker has the option of opening or closing the repair shop when there are machines waiting for repair service, as well as the option of repairing or leaving an operating machine. A two-dimensional control limit policy is defined, and sufficient conditions for the optimality of a two-dimensional control limit policy are obtained for each model.
著者
Masato Koda Hiroyuki Okano
出版者
The Operations Research Society of Japan
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会論文誌 (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.469-485, 2000 (Released:2017-06-27)
参考文献数
17
被引用文献数
4 4

A new stochastic learning algorithm using Gaussian white noise sequence, referred to as Subconscious Noise Reaction (SNR), is proposed for a class of discrete-time neural networks with time-dependent connection weights. Unlike the back-propagation-through-time (BTT) algorithm, SNR does not require the synchronous transmission of information backward along connection weights, while it uses only ubiquitous noise and local signals, which are correlated against a single performance functional, to achieve simple sequential (chronologically ordered) updating of connection weights. The algorithm is derived and analyzed on the basis of a functional derivative formulation of the gradient descent method in conjunction with stochastic sensitivity analysis techniques using the variational approach.
著者
Naoya Uematsu Shunji Umetani Yoshinobu Kawahara
出版者
The Operations Research Society of Japan
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会論文誌 (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.41-59, 2020-04-30 (Released:2020-05-01)
参考文献数
28

The submodular function maximization is an attractive optimization model that appears in many real applications. Although a variety of greedy algorithms quickly find good feasible solutions for many instances while guaranteeing (1−1/e)-approximation ratio, we still encounter many real applications that ask optimal or better solutions within reasonable computation time. In this paper, we present an efficient branch-and-cut algorithm for the non-decreasing submodular function maximization problem based on its binary integer programming (BIP) formulation with an exponential number of constraints. Nemhauser and Wolsey developed an exact algorithm called the constraint generation algorithm that starts from a reduced BIP problem with a small subset of constraints and repeats solving a reduced BIP problem while adding a new constraint at each iteration. However, their algorithm is still computationally expensive due to many reduced BIP problems to be solved. To overcome this, we propose an improved constraint generation algorithm to add a promising set of constraints at each iteration. We incorporate it into a branch-and-cut algorithm to attain good upper bounds while solving a smaller number of reduced BIP problems. According to computational results for well-known benchmark instances, our algorithm achieves better performance than the state-of-the-art exact algorithms.
著者
Tomoyuki Iori Toshiyuki Ohtsuka
出版者
The Operations Research Society of Japan
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会論文誌 (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.114-133, 2020-10-31 (Released:2020-10-31)
参考文献数
20

This paper proposes a necessary optimality condition derived by a limit operation in projective space for optimization problems of polynomial functions with constraints given as polynomial equations. The proposed condition is more general than the Karush-Kuhn-Tucker (KKT) conditions in the sense that no constraint qualification is required, which means the condition can be viewed as a necessary optimality condition for every minimizer. First, a sequential optimality condition for every minimizer is introduced on the basis of the quadratic penalty function method. To perform a limit operation in the sequential optimality condition, we next introduce the concept of projective space, which can be regarded as a union of Euclidian space and its points at infinity. Through the projective space, the limit operation can be reduced to computing a point of the tangent cone at the origin. Mathematical tools from algebraic geometry were used to compute the set of equations satisfied by all points in the tangent cone, and thus by all minimizers. Examples are provided to clarify the methodology and to demonstrate cases where some local minimizers do not satisfy the KKT conditions.
著者
Keisuke Sato Yoshitsugu Yamamoto
出版者
The Operations Research Society of Japan
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会論文誌 (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.112-130, 2009 (Released:2017-06-27)
参考文献数
12

This paper presents a study on the recently proposed linear inequality representation of Arrovian Social Welfare Functions (ASWFs). We correct and show several sufficient conditions on preference domains for the linear inequalities of the representation to form integral polytopes. We also show that a given probabilistic ASWF induces a real vector satisfying the inequalities.
著者
YUKIO HATOYAMA
出版者
The Operations Research Society of Japan
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会論文誌 (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.164-181, 1977 (Released:2017-06-27)
被引用文献数
2 3

Discrete time Markov maintenance models are coupled with the theory of control of queues. Each system has an operating machine, spare machines and a repair facility. A decision maker has the option of opening or closing the repair shop when there are machines waiting for repair service, as well as the option of repairing or leaving an operating machine. A two-dimensional control limit policy is defined, and sufficient conditions for the optimality of a two-dimensional control limit policy are obtained for each model.
著者
竹原 均
出版者
公益社団法人 日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会論文誌 (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.507-528, 2002 (Released:2017-06-27)
参考文献数
19

本研究ではダウンサイドリスクモデルのもとでの新たなマネージャー構造最適化モデルを提案する.論文ではまずWaring,Whitney,Pirone,Castilleにより提案されたモデルでの,収益率の正規性,マネージャー間の相関構造などの仮定が,実務上は不適切であることを株式投資信託の収益率を分析することにより示す.その上で既存のモデルでの問題点を解決するために,政策ポートフォリオからのショートフォールを考慮した最適化モデルと,リスク調整をダウンサイドリスクにより行う新しいパフォーマンス評価尺度を提案する.
著者
池田 欽一 時永 祥三
出版者
公益社団法人 日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会論文誌 (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.18-31, 1999 (Released:2017-06-27)
参考文献数
11
被引用文献数
1 2

本論文では, まずフラクタル性をもつ時系列のインパルス応答関数をスケール関数により近似的に展開した場合に, 時間軸方向にインパルス応答を伸長することにより予測が行える原理について説明し, 予測誤差などについて整理する. 次に, フラクタル性をもつ時系列について, フラクタル次元が未知である場合に, 時系列をウェーブレット変換係数から計算できる方法を整理する. これらを現実の株価時系列へと適用して, 株価予測誤差の検討, フラクタル性, その次元推定について述べる. 具体的な応用例として株価のオプション取引のシミュレーションをとりあげ, 本論文の予測手法とこれに基づくオプション戦略の有効性について示している.
著者
鳩山 由紀夫
出版者
The Operations Research Society of Japan
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会論文誌 (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.106-122, 1979 (Released:2017-06-27)
被引用文献数
1 1

本論文はDerman(1963)によって導入されたマルコフ型劣化を伴なう機械の保全問題の拡張である。拡張は系が閉じたループをなしていること、取替でなく修理問題であること、及び複数の修理施設をもつことに見られる。即ち、系は、有限個の劣化の状態をもち劣化の進行がマルコフ鎖で記述される単一の稼動機械と、同一機能をもつ有限個の予備機械、及び修理の種類毎に異なる複数の修理施設とからなる。各時点において、稼動機械を修理すべきか否かを決定することが問題となるが、その決定の際に、稼動機械の劣化の程度、修理がなされるときに要求される修理の種類、更に各修理施設で修理中の機械の数が情報として与えられる。修理がなされるときには、機械は修理の種類に対応した修理施設に直わに送られ、修理が開始され、同時に予備機械の一つが新たに稼動を開始する。修理時間は修理施設に依存する幾何分布に従うものとし、修理後は新晶同様の状態に戻ると仮定する。予備機械の用意が間に合わないときには、一つの機械の修理が終了する迄稼動は休止せざるを得ず、この間ペナルティが課せられる。その他のコストとしては、作動費用、材料費及び労賃を考慮している。以上のモデルを設定し、割引率を考慮した総期待費用、乃至は平均期待費用を最小とする最適保全政策が如何なる形となるかを考察する。ここで、修理の種類を固定したとき、稼動機械の劣化がある限界を越えたときのみ修理を施し、又稼動機械の劣化の状態を固定したとき、修理の種類がある限界を越えないときのみ修理を施すという二次元のコントロールリミットポリシーを提案し、緩やかな条件の下で最適政策がこの形となることを示す。次にコスト等を一般化し、更に保全員が各修理施設に一人づつの場合にも同様の議論がなされることを確認し、最後に解法に触れている。
著者
藤重 悟
出版者
公益社団法人 日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会論文誌 (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.189-204, 1978
被引用文献数
1 30

G(V、A^*;V_1、V_2)を、点集合V、枝集合A^*、および、"入口"V_1(⊆V)、"出口"V_2(⊆7)をもつグラフとする。簡単のためV_1∩V_2:φとしておく。グラフGの各枝αには、その容量c(α)と単位流量当りの費用γ(a)とが付与されているとする。さらに、人ロV_1と出口V_2上に、それぞれ、ホリマトロイドP_1(V_1、ρ_1)、P_2(V_2、ρ_2)が定義されているとする。以上の諸量の定義されたグラフをネットワークNと呼ぶことにする。N上の"独立流れ"とは、各枝の容量条件を満たす入口V_1から出口V_2へのG上の流れであり、かつ、V_1への流入ベクトルがP_1の、V_2からの流出ベクトルがP_2の、それぞれ、独立ベクトルであるようなものである。ただし、V_1への流入ベクトルとは、各v^εV_1にvへの流入量を対応づけるベクトルである(流出ベクトルについても同様)。"独立流れ問題"とは、(1)N上の最大独立流れ(すなわち、V_1からV_2への最大流量をもつN上の独立流れ)を見出す問題、および、(2)N上の最大独立流れのうちで費用が最小であるものを見出す問題、のことである。本論文では、与えられた独立流れに関連して定義される補助ネットワークを用いて独立流れ問題を解く算法を提示する。プライマル・デュアルな形の算法は概略つぎのようである。N上のある独立流れから出発して、補助ネットワーク上の最短路を見出し、それに基づいて流れを変更し、流量が増加した新たな独立流れ(問題(2)の場合は同じ流量をもつ独立流れのうちで最小費用の独立流れ)を得る。さらに、得られた独立流れに関連する補助ネットワ-クを構成し、以上の手続きを繰返す。問題(2)に対しては、プライマルな形の算法も提示してある。これらの算法を導出する過程において、最大独立流れや最小費用の最大独立流れを特徴づけるいくつかの命題が、構成的に証明される。複数個の(ポリ)マトロイドが関係するような、今までに提起されている問題のうちの多くは、独立流れ問題として"自然な形で定式化される。ネットワーク流れ問題としての定式化が多くの組合せ的問題に対して有効であったのと同様に、独立流れ問題としての定式化が(ポリ)マトロイド的な組合せ的問題に対して有効である。なお、パラメタc(a)(a^εA*)、ρi(A)(A⊆V i;i=1、2)が可約な場合、本論文で提示した算法は有限回の操作の後に終了し解を与える。一般の独立流れ問題に対し本論文で提示した算法が有限回の操作の後に終了するか否かの問題、有限回で終了するとすればその手間の評価の問題、などは今後に残された課題である。
著者
関口 恭毅
出版者
公益社団法人 日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会論文誌 (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.67-94, 1981

組合せ最適化問題を解くための代表的手法として、分岐一界値法(Branc-and-Bound Method)、動的計画法、後戻り法(Backtrack Programming)などがあげられる。しかし、これらは、解法というよりは解法開発のための接近法とでも言うのが適当で、具体的な問題に応じた効果的解法を学習しておこうとすると極めて多数のアルゴリズムを習わねばならない。一方で、各接近法の原理だけを学習しても実用的な価値が乏しいという事情がある。しかも、NP完全性の検討によって、このような事態が暫定的たものとは考え難いことが強く示唆されている。この困難を打開する一方策として、原理的解法を問題に応じて具体化する技術を体系化すること、具体的には、各種接近法を包括する統一的枠組を確立し、その特定化の内容と得られる具体的アルゴリズムの効率の関係を明らかにすることが有効と考えられる。そこで本報告では、上記3つの接近法をはじめ、完全列挙法、解析解(例えば、フローショップ問題のジョンソン規則)、整数線形計画の切除平面法などをも含む"木型計画法"なる統一的枠組を提案し、その正当性一有限性と正確性(求められる解の良さ)一の分析を行った。木型計画法は選択則(列挙の順番を定める規則)、分岐則(問題をより易しい問題に分解する規則)、上界関数(列挙の各時点での最善解を判定するための道具)、廃棄則(最善解より良い解を持たない部分問題を発見しその後の列挙の対象からはずす規則)ならびに終了条件の5つの基本要素から構成される。列挙の対象が無限集合であっても良いこと列挙に重複が許されること、廃棄則の定義が包括的であることなどが、この枠組の特色と言える。正当性の分析は最も一般性の高い場合に対して行い、有限性と正確性のための十分条件を明らかにした。結果は、有限性については選択則と分岐則が、正確性については終了条件が支配的要因であることを示している。さらに、完全列挙法、分岐一界値法、動的計画法、加算的陰伏的列挙法および切除平面法を木型計画法として完式化しなおし、提案した枠組の汎用性を例示した。
著者
田畑 吉雄
出版者
公益社団法人 日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会論文誌 (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.169-184, 1979
被引用文献数
1

取替問題において定期的取替またはブロック取替と呼ばれる政策は、使用中の部品を偶発故障時点および一定期間毎で計画取替する方式であり、部品の使用時間を記録しておく必要がないため、しばしば採用される。ところが、計画取替時点直前に故障した部品を新品に取替ると損失が大きいため、遊休損失を覚悟の上で放置しておく方式が考えられる。この放置期間をアイドル・タイムと呼ぶ。本論文では、アイドル・タイムを考慮し、偶発故障に対しては修理を施すことが可能とする。ある時点で偶発故障が生じた時、総期待費用を最小にするためには。その部品を修理すべきか、または放置しておくべきかを動的計画法を用いて決定する。その結果、計画取替時点までの残り時間と、部品の使用年令とに依存する両決定の境界が誘導される。すなわち、修理とアイドル・タイムを考慮すれば、定期的取替政策の利点である「部品の使用時間の記録不要」が消滅していることがわかる。最後に幾つかの数値例が与えられる。
著者
Konno Hiroshi Inori Michimori
出版者
公益社団法人 日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会論文誌 (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.143-158, 1989
被引用文献数
4 64

A variety of bond portfolio optimization problems of institutional investors are formulated as linear and/or bilinear fractional programming problems and algorithms to solve this class of problems are discussed. Our objective is to optimize certain index of returns subject to constraints on such factors as the amount of cash flow, average maturity and average risk, etc. The resulting objective functions and constraints are either linear, bilinear or bilinear fractional functions. T. he authors devised a special purpose algorithm for obtaining a local optimal solution of this nonconvex optimization problem containing more than 200 variables. Though it need not generate a global optimum, it is efficient enough to meet users' requirement.
著者
Komei Fukuda Tamas Terlaky
出版者
The Operations Research Society of Japan
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会論文誌 (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.45-61, 1992 (Released:2017-06-27)
被引用文献数
5 12

A combinatorial abstraction of the linear complementarity theory in the setting of oriented matroids was first considered by M.J. Todd. In this paper, we take a fresh look at this abstraction, and attempt to give a simple treatment of the combinatorial theory of linear complementarity. We obtain new theorems, proofs and algorithms in oriented matroids whose specializations to the linear case are also new. For this, the notion of sufficiency of square matrices, introduced by Cottle, Pang and Venkateswaran, is extended to oriented matroids. Then, we prove a sort of duality theorem for oriented matroids, which roughly states: exactly one of the primal and the dual system has a complementary solution if the associated oriented matroid satisfies "weak" sufficiency. We give two different proofs for this theorem, an elementary inductive proof and an algorithmic proof using the criss-cross method which solves one of the primal or dual problem by using surprisingly simple pivot rules (without any perturbation of the original problem).
著者
田口 東
出版者
公益社団法人 日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会論文誌 (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.232-242, 1994 (Released:2017-06-27)
被引用文献数
1 3

東京への一極集中問題に対して、様々な観点からの議論がなされている。その中で、非常に高層のビルを建設して、単なるオフィスとして利用するのではなく、都市の機能も持たせようとする提案がある。このようなビルにおいては、普通の都市のように多くの人がその中で行き来することを想定しなければならない。この交通量は人口に対して2乗またはそれに近い形で増加する。このとき、上下方向の移動にはどうしてもエレベータ等の設備を使わなければならず、予想される交通量に応じた通路の面積を確保する必要がある。ビルの床面積は一定であるから、円滑に移動できるように通路を十分広く確保することと、人や機能をできるだけ多く収容することに対して、両者を満足させるような解答はありえない。本文ではこのようなビルに対して、必要となるエレベータの面積を与える単純なモデルを導く。モデルの解析の結果、ビルが大きくなるほど必要な通路の割合が大きくなり、通路以外に利用できる容積は床面積の平方根に比例して増えるものの、高さにはほとんどよらないということがわかった。このことは、ビル建設に対する投資が有効に生かされないことを意味している。
著者
山嵜 輝 猪原 健弘 中野 文平
出版者
公益社団法人 日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会論文誌 (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.286-301, 1999
参考文献数
7
被引用文献数
1

党派が形成されるような社会集団での投票による意思決定状況は, 従来, 協力ゲームの特別な形であるシンプルゲームで記述され, 社会選択へのゲーム理論的アプローチとして様々な研究がされてきた. 本論文では, 今まで考慮されてこなかった「意思決定主体の意見の柔軟性」を扱うために「投票者の許容範囲」という概念をシンプルゲームの枠組に導入し, また, 「意見調整ゲーム」や「敗因分析ゲーム」という, 投票状況の新たなモデルを用いることで, 「意思決定主体の意見の柔軟性」が意思決定に与える影響を調べる. 分析の結果, 1)従来のシンプルゲームを用いたモデルは, 本論文で提案する「意見調整ゲーム」の特別な形であること, 2)直接の投票では決定が得られない場面でも, 調整可能な意見が存在しうること, 3)複数の党派の意見の相違は十分な情報交換を行うことで解消できること, そして特に, 4)シンプルゲームの解概念として提案されているコアと決定案の間には「シンプルゲームのコアは各意思決定主体が後悔のない許容範囲を取ったときの安定した代替案の集合である」という関係が成立すること, が明らかになる.
著者
Rei Yamamoto Norio Hibiki
出版者
日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会論文誌 (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.244-261, 2017-07-25 (Released:2017-07-31)
参考文献数
13
被引用文献数
2

Pairs trading strategy has a history of at least 30 years in the stock market and is one of the most common trading strategies used today due to its understandability. Recently, Yamamoto and Hibiki [13] studied optimal pairs trading strategy using a new approach under actual fund management conditions, such as transaction costs, discrete rebalance intervals, finite investment horizons and so on. However, this approach cannot solve the problem of multiple pairs because this problem is formulated as a large scale simulation based non-continuous optimization problem. In this research, we formulate a model to solve an optimal pairs trading strategy problem using multiple pairs under actual fund management conditions. Furthermore, we propose a heuristic algorithm based on a derivative free optimization (DFO) method for solving this problem efficiently.
著者
Hiroshi Toyoizumi
出版者
日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会論文誌 (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.101-109, 2017-04-20 (Released:2017-05-02)
参考文献数
19

The particle survival model, which was originally proposed to analyze the dynamics of species' coexistence, has surprisingly found to be related to a non-homogeneous Poisson process. It is also well known that successive record values of independent and identically distributed sequences have the spatial distribution of such processes. In this paper, we show that the particle survival model and the record value process are indeed equivalent. Further, we study their application to determine the optimal strategy for placing selling orders on stock exchange limit order books. Our approach considers the limit orders as particles, and assumes that the other traders have zero intelligence.
著者
Yannan Hu Hideki Hashimoto Shinji Imahori Takeaki Uno Mutsunori Yagiura
出版者
日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会論文誌 (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.110-129, 2016 (Released:2016-02-02)
参考文献数
17
被引用文献数
2

This paper focuses on a two-dimensional strip packing problem where a set of arbitrarily shaped rectilinear blocks need be packed into a larger rectangular container without overlap. A rectilinear block is a polygonal block whose interior angles are either 90∘or 270∘. This problem involves many industrial applications, such as VLSI design, timber/glass cutting, and newspaper layout. We generalized a bottom-left and a best-fit algorithms to the rectilinear block packing problem in our previous paper. Based on the analysis of the strength and weakness of these algorithms, we propose a new construction heuristic algorithm called the partition-based best-fit algorithm (PBF algorithm), which takes advantages of both the bottom-left and the best-fit algorithms. The basic idea of the PBF algorithm is that it partitions all the items into groups and then packs the items in a group-by-group manner. The best-fit algorithm is taken as the internal tactics for each group. The proposed algorithm is tested on a series of instances, which are generated from benchmark instances. The computational results show that the proposed algorithm significantly improves the performance of the existing construction heuristic algorithms and is especially effective for the instances having large differences in the sizes of given shapes.
著者
山田 善靖 松井 知己 杉山 学
出版者
公益社団法人 日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会論文誌 (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.158-168, 1994
被引用文献数
16 57

事業体の経営効率を評価するには、その優れている点に焦点を当てて分析する方法とその劣っている点に焦点を当てて分析する方法が考えられる。DEA(Data Envelopment Analysis)は事業体の優れている点から効率性を評価する方法であり、一般に広く利用されている。これに対して本論文では、事業体の劣っている点に焦点を当てて非効率を分析する方法として"Inverted DEA(Inverted Data Envelopmen Analysis)"を提案する。Inverted DEAは、従来のDEAモデルと同じ仮定を用いるが、目的関数にDEAとは逆の関係を与えて事業体の経営に対する非効率の度合いを評価する手法である。次に、ここで提案したInverted DEAが有効に利用される例として、Inverted DEAと従来のDEAを用いて事業体を分類する方法を論じる。この方法は、Inverted DEAとDEAによる評価を組み合わせて用い、事業体の良い所と悪い所を総合的に把握し分類する方法である。この方法は、DEAを単独に用いる場合にしばしば指摘される問題点である、特異な活動をする事業体の評価が高く出る傾向がある点と、大部分の事業体のDEA効率値が1に近い場合、評価が困難である点を補うことができる。最後に実際のデータを用いて、事業体の経営効率の評価分析を行う。