著者
島袋 充生 山川 研 益崎 裕章 佐田 政隆
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.4, pp.983-988, 2011 (Released:2013-04-10)
参考文献数
10
被引用文献数
1

遊離脂肪酸はエネルギー基質であると同時にさまざまなシグナル分子の基質でもあり,インスリン作用,インスリン合成・分泌に影響を与える.肥満症にともなう過剰な遊離脂肪酸は,耐糖能を悪化させる.遊離脂肪酸によるインスリン作用の障害を(広義の)脂肪毒性,インスリン分泌能に及ぼす悪影響を膵β細胞脂肪毒性(狭義の脂肪毒性)と呼ぶ.最近,脂肪組織以外の臓器に蓄積する脂肪(異所性脂肪)の動態に注目が集まっており,各臓器で何らかの病的意義を有する可能性がある.
著者
益崎 裕章 屋比久 浩市 山川 研
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.101, no.4, pp.1027-1033, 2012 (Released:2013-05-10)
参考文献数
8

高尿酸血症は痛風関節症,痛風結節,尿路結石症,痛風腎に代表される尿酸塩沈着症を引き起こす.一方,肥満症・メタボリックシンドロームには無症候性高尿酸血症が高頻度に随伴する.痛風発作,関節炎予防のための尿酸値管理という従来の枠組みを超えて,生活習慣病・慢性腎臓病に伴う高尿酸血症が心血管疾患や脳卒中などの血管イベントのリスクを増大させ,脂肪組織や血管の組織機能障害を誘導する可能性が注目されている.