著者
添盛 晃久 小豆川 勝見 山形 武広 野川 憲夫 松尾 基之
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2012年度日本地球化学会第59回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.319, 2012 (Released:2012-09-01)

福島第一原発事故に伴う影響のうち、海洋汚染の状況や収束見通しの解明に寄与するために、本研究では東京湾幕張沖を研究の対象とし、事故以前から現在まで我々のグループが継続的に同一地点で採取していた底質試料に対し、放射性セシウムの濃度変化を分析した。分析の結果、事故後時間が経過するにつれて濃度が増加していることが認められ、東京湾では河川による流入の影響が海流による拡散の影響よりも強く、放射性物質が蓄積しやすい環境になっていると考えた。また、深堀では平場よりも高濃度となる傾向も確認でき、深堀が一種のホットスポット的役割を果たしていることが示唆された。