著者
堀 まゆみ 小豆川 勝見 松尾 基之
出版者
一般社団法人 日本環境化学会
雑誌
環境化学 (ISSN:09172408)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.129-135, 2017-12-18 (Released:2018-06-22)
参考文献数
31

High Cr(VI) contaminants have often been detected in groundwater and soils around chromium slag dumping site in Tokyo. The actual status of Cr(VI) seepage in Ojima-Komatsugawa Park was surveyed from January to December 2016, followed with examination of its causes. Firstly, quite heavily concentrated Cr(VI) was detected in seepage water from permeable pipe at the Wansaka Field in the Park. The 50 mm of total rainfall was found to be the trigger for Cr(VI) to leach and spread to the sidewalk. Secondly, Cr(VI) exceeding the standard value concentration flows out into the sewage at the catch basin in Komatsugawa area during rainfall. Leakage at the both points could not be directly related to groundwater level. Results indicated that rainfall causes seepage of Cr(VI), which results in the ongoing pollution in these areas. There had been some attempts to remediate the pollution by applying iron sulfate, however, the investigation revealed significance of further development for fundamental solution.
著者
添盛 晃久 小豆川 勝見 野川 憲夫 桧垣 正吾 松尾 基之
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.1079-1086, 2013-12-05 (Released:2013-12-28)
参考文献数
34
被引用文献数
2 2

The concentration of radioactive cesium in sediments of Tokyo-bay, released by the Fukushima Dai-ichi nuclear power station accident, was measured every half year from July ’10 to February ’13 in order to analyze the trend of concentration. The samples were collected at two artificial deeper sites in dredged trenches and one natural shallower site, which were located off Makuhari in Tokyo-bay, then they were brought into a Ge detector to measure the γ-rays. According to an analysis of the upper layer of the samples, both 134Cs and 137Cs had been detected since the samples of August ’11, and they must have been released by the accident. Furthermore, from February ’12 to February ’13, the concentrations of 134Cs and 137Cs in upper layer of sediments had been higher at deeper sites than shallower site. The deeper sites look like pitfall traps for fine particles clinging to 134Cs and 137Cs, so we can call these sites "the hotspot in the sea". We also examined the depth profiles of 134Cs and 137Cs in samples taken on August ’12 and February ’13. As a result, 134Cs and 137Cs were found to have gone deeper in the sediment on February ’13 than on August ’12, and the inventory of them was also larger on February ’13. In addition, this phenomenon was observed more clearly at deeper sites than shallower site. Though 134Cs and 137Cs had not increased very much in upper layer from August ’12 to February ’13, we clarified that they had been flowing into the Tokyo-bay.
著者
小森 昌史 小豆川 勝見 野川 憲夫 松尾 基之
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.475-483, 2013-06-05 (Released:2013-06-27)
参考文献数
31
被引用文献数
18 40

福島第一原子力発電所事故によって環境中に降り積もった放射性核種が,地点ごとに原子炉1~3号機の中でどの放出源の寄与によるものであるかを134Cs/137Cs放射能比(以下放射能比)を指標として調べた.事故によって放出された134Csと137Csの放射能比はおよそ1 : 1であるが,細かく見ると原子炉ごとに比が異なるために環境試料中で放射能比のばらつきが生じており,その比が汚染源ごとの寄与の大きさを表す指標になると考えられる.そこで本研究では東日本の広域で土壌・植物片を採取してγ線測定を行い,各地点における放射能比を算出した.また東京電力が公開している原子炉建屋やタービン建屋の汚染水の放射能から,各原子炉における134Cs/137Cs放出放射能比を算出し,環境試料中の放射能比と比較した.その結果,最初に放射性核種を放出した1号機の放射能比と,最初に汚染が起こったとされる宮城県牡鹿半島の試料における放射能比がともに0.91程度と他原子炉・他地点と比較して低い値であることがわかり,同地点の汚染は1号機由来が強いことが実試料からも示唆された.また他地点でも放射能比を算出し,原子炉各号機由来の汚染の程度を見積もった.
著者
小豆川 勝見 野川 憲夫 松尾 基之
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.547-554, 2013-06-05 (Released:2013-06-27)
参考文献数
14
被引用文献数
2

Deposition of radioactive cesium isotopes, known as 137Cs and 134Cs, from the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station (FDNPS) causes great concern due to their long half lives. Decontamination of radioactive cesium in the environment is not easy. Deposited radioactive cesium moves slowly in the soil, and remains in the surface region unless physically disturbed. However, a selective extraction of cesium from soil particles is impossible, because cesium has been strongly absorbed on clay minerals. This study demonstrated a method for the effective decontamination of radioactive cesium by using rice chaff and straw as an adsorbent at drains for rainwater in Moriya city, Japan. After 58 days of soaking, rice chaff and straw have captured radioactive cesium from 2990 Bq kg−1 (chaff) to 13610 Bq kg−1 (straw). Moreover, it was revealed that microorgasisms on the surface of rice chaff strongly captured radioactive cesium from soil particles in water. Therefore, rice chaff and straw are effective, low-cost and safe adsorbents for the decontamination of radioactive cesium.
著者
添盛 晃久 小豆川 勝見 山形 武広 野川 憲夫 松尾 基之
出版者
日本地球化学会
巻号頁・発行日
pp.319, 2012 (Released:2012-09-01)

福島第一原発事故に伴う影響のうち、海洋汚染の状況や収束見通しの解明に寄与するために、本研究では東京湾幕張沖を研究の対象とし、事故以前から現在まで我々のグループが継続的に同一地点で採取していた底質試料に対し、放射性セシウムの濃度変化を分析した。分析の結果、事故後時間が経過するにつれて濃度が増加していることが認められ、東京湾では河川による流入の影響が海流による拡散の影響よりも強く、放射性物質が蓄積しやすい環境になっていると考えた。また、深堀では平場よりも高濃度となる傾向も確認でき、深堀が一種のホットスポット的役割を果たしていることが示唆された。
著者
小豆川 勝見 小森 昌史 野川 憲夫 松尾 基之
出版者
日本地球化学会
巻号頁・発行日
pp.66-66, 2011 (Released:2011-09-01)

2011年3月に発生した東日本大震災によって福島第一原子力発電所から放出された放射性核種の広域的な分布を得るために、原発正門前をはじめ福島県から静岡県にかけての広範囲で土壌を採取し、ゲルマニウム半導体検出器を用いてガンマ線の測定を行った。ガンマ線スペクトルから同定された核種は合計15種類であり、核種によって分布の傾向に差が生じていることを確認した。例えば134/137Csは一様に拡散するが、131Iでは原発周辺で特に線量が高い。このように核種によって拡散の挙動が異なり、SPEEDIの予測とも必ずしも一致しない核種があることが明らかとなった。
著者
堀 まゆみ 小豆川 勝見 松尾 基之
出版者
一般社団法人日本地球化学会
巻号頁・発行日
pp.30, 2014 (Released:2014-09-12)

都立大島小松川公園の地中には、還元処理が施されたクロム鉱滓が埋められている。しかし、還元処理を施したにもかかわらず、現在もCr(VI)を含んだ環境水が公園周辺で検出されている。大島小松川公園周辺で環境調査を行い、高レベルCr(VI)汚染を発見し、その流出原因について考察したので報告する。大雪が降った2013年1月、高濃度のCr(VI)が歩道上の滲出水から検出され、その濃度は最大で37.0 mg/Lであった。晴天が続いた日に採取した試料からはCr(VI)は検出されず、雪の日には検出されたことから、この地点では、大雨や雪が降ると鉱滓中のCr(VI)が溶出し、地表面でCr(VI)が検出されると考えられる。また、公園周辺の別地点の集水桝中の水からは、Cr(VI)が133 mg/Lと高濃度で検出された。集水桝では、歩道に滲出した水とは異なり、常に高濃度のCr(VI)が流入していることが示唆される。今なおCr(VI)が基準値を超過して検出されることから、埋立て当時の還元処理の不十分さが指摘できる。
著者
磯崎 行雄 松尾 基之 川幡 穂高 可児 智美
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2008

カンブリア紀初めと古生代末の地球環境変動・絶滅事件について、クロアチア、中国雲南省、さらに岐阜県赤坂・石山、宮崎県高千穂、宮城県気仙沼での野外調査/ボーリング掘削および炭素・ストロンチウム同位体などの分析を行い、古生代末事件が地球磁場強度低下と銀河宇宙線増化による地球規模の寒冷化で始まったこと、またカンブリア紀初期の爆発的進化が特異な南中国のプルーム活動域で局地的に始まったことを初めて解明した。
著者
山本 光夫 加藤 孝義 多部田 茂 北澤 大輔 藤野 正俊 小豆川 勝見 松尾 基之 田中 潔 道田 豊
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.81, no.2, pp.243-255, 2015 (Released:2015-03-20)
参考文献数
19
被引用文献数
1 4

東日本大震災後の沿岸環境変化の評価を目的とし,岩手県釜石湾において,海水中の栄養塩と重金属濃度,底質の放射性物質含有量に着目した海域環境調査を行った。栄養塩は冬期に高く夏期に低い傾向がみられ,震災前と必ずしも一致しなかった。これは湾口防波堤破壊による湾内環境変化の影響と考えられる。一方で重金属は津波の影響と予想される濃度変化はみられなかった。放射性物質も最大で 60 Bq/kg 以下と他の海域に比べ特に高い値ではない上に現在は減少傾向にあり,安全性の面で海域環境は震災前に戻りつつあることが示唆された。
著者
渡邊 利奈 小豆川 勝見 松尾 基之
出版者
日本地球化学会
巻号頁・発行日
pp.331, 2014 (Released:2014-09-12)

本研究では2011年3月の東日本大震災に伴って起きた福島第一原子力発電所の事故により大量に放出された放射性物質の環境中での動態をガンマ線測定により研究している。環境中で放射性物質がまったく移動しないとするならば、同年3月中に都内に降下した放射性セシウムの沈着量は半減期に沿って減衰するはずだが、実測値は予想値よりも明らかに低かった。移動した放射性セシウムを評価する手法として、位置情報に空間線量率を組み合わせた三次元データを地図上に表示させる、マッピングを採用した。これまでに都内の小学校や茨城県守谷市などで測定を行ってきた。高感度の測定器を用いて地上5 ㎝高でガンマ線を測定することで、広範囲を効率よく測定し放射線線量率をマッピングすることができた。更にガンマ線スペクトルを取ることで、周辺よりも高線量になる場所が、放射性セシウムか天然核種なのか判定することが可能となった。