著者
橋本 智 山木 朝彦 山木 眞理子 古賀 美千留
出版者
日本語教育方法研究会
雑誌
日本語教育方法研究会誌 (ISSN:18813968)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.2-3, 2012-03-10 (Released:2017-05-25)
被引用文献数
1

Visual Thinking Strategies (VTS) were developed by Abigail Housen and Phillip Yanawine. VTS is a new concept in the art education field, and it is considered to be an effective tool not only to develop students' artistic ability but also cultivate their critical thinking ability and communication skills. At the VTS session, a facilitator asks students one question, "What's going on in this picture?" The facilitator paraphrases their statements and helps them continue the discussion. This paper discusses the possibility for the application of VTS in Japanese education and a case study to examine it.
著者
山木 朝彦
出版者
美術科教育学会
雑誌
美術教育学 : 美術科教育学会誌 (ISSN:0917771X)
巻号頁・発行日
no.29, pp.563-575, 2008-03-27

本稿において展開する考察の目的は,戦後日本の美術教育思潮におけるリアリズム表現の受容の背景に,どのような教育観と芸術観が潜んでいたのかを明らかにすることにある。アプローチの方法は次のとおりである。この論文では,芸術思潮におけるモダニズムの概念を再検討することで,リアリズムをモダニズムと対置せずに関連づける試みを行っている。これは,リアリズム対モダニズムという従来の図式的な理解を克服し,戦後の美術教育思潮を客観的に俯瞰するためである。また,美術制作の分野で展開されたリアリズム追究の流れと美術教育の運動にみられるリアリズム受容の流れを複眼的に比較考量している。その目的は美術教育界と美術運動の両者に通底するモダニズムの精神を炙り出すとともに,美術教育思潮におけるリアリズムの特質を明らかにするためである。この論考の先には,ポストモダンをも踏まえた同時代の美術教育の思想的座標の位置づけを行う試みが予想される。
著者
橋本 泰幸 佐々 有生 山木 朝彦 谷口 幹也 山田 芳明 芳賀 正之
出版者
鳴門教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本研究では,徳島県下の伝統文化の調査を行い,その成果をもとに徳島県の伝統文化を学べる文化施設をデータベース化を行う。そして,海外の伝統文化の継承と教育に関してカンボジア王国で調査を行い,日本国内の状況とを比較検討し,文化創造からの視点での文化継承と教育活動の重要性を提言するにいたった。また,以下のテーマに関する考察が本研究において行われた。美術館における鑑賞教育の観点から地域と芸術の連携に関する研究。大竹拙三を中心に地域社会における美術教育実践家の足跡に関する調査研究。鑑賞教育における身体性に関する研究。また,「生きる力」を育む美術教育プログラム及びネットワークの開発にあたって,研究究組織全体の取り組みとして,鳴門市,大塚国際美術館,鳴門教育大学の三者の連携による「地域文化財教育活用プロジェクト」を実施した。本プロジェクトによって,美術教育ネットワーク構築のための基盤がつくられ,大学と,地方自治体,私立美術館の共同運営によるワークショップ等の事業を行い,その成果として,教員が活用するための美術教育実践例が提案されるに至った。そして,本研究の成果を公開し,広く活用するためのWeb版の美術教育センターが構築された。
著者
山木 朝彦
出版者
鳴門教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

鑑賞教育の充実のためには、学校における鑑賞の学習と美術館における鑑賞の学習の内容と方法が整合性をもつように、計画されなくてはならない。このため、美術館と学校教育の連携が求められている。この連携の方法と連携によって開発される教材について、次の各項目で研究を展開し、成果を公表した。1、積極的に学校との連携を推し進めてきた美術館が、現在、どのような具体的な方法によって学校連携を展開しているのか、美術館四館(世田谷美術館・宇都宮美術館・東京都写真美術館・川崎市岡本太郎美術館)を訪問し、各館の学芸員に対面によるインタビュー形式の調査を行い、それぞれの館で展開している学校連携の方法について調査し、平成17年3月に冊子としてまとめた。また、学校との連携に関して先駆的な役割を担った「横浜美術館子どものアトリエ」の基本コンセプトについて聞き取り調査を行い、そこからワークショップなどのあり方について検討し、研究成果を美術科教育学会(平成19年3月)で発表した。2、ワークシートやティーチャーズガイドの開発と、啓発的な展示の試みを模索しているテイト・ギャラリーの教育機能について考察し、平成17年3月に学会誌論文として発表した。3、「鑑賞教育推進プロジェクト」という研究会の一員として、この美術館から発行された四種類のワークシートの開発にかかわった経験を活かし、ワークシートの開発のプロセスと、教材としての有効性をつぶさに記録し分析した。その成果を平成18年3月発行の研究成果報告書にまとめた。4、ワークシートと併用することによって教育的効果をあげるパワーポイント教材を作成し、実際の授業で活用し、その効果について成果報告書のなかで考察した。5、美術館だけではなく博物館・歴史資料館などを利用して、さまざまな造形的な作品を鑑賞する方法の一例として、日本の世界遺産の鑑賞の仕方について検討し、教材にかかわる図書の鑑賞にかかわる箇所を執筆した。
著者
山木 朝彦 井上 由佳 塚田 美紀
出版者
鳴門教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

研修の機会などを通じた美術にたいする教師への教育と学校との連携という観点から俯瞰したとき、テイト・ギャラリーの教育普及活動全般が非常に質の高い内容を誇っていることを調査によって確認した。さらに、学校と連携して行われた実践的な教育プログラムであるバーバル・アイズ(Verbal Eyes)というプロジェクトの実施の方法と教育的意義の両面について、学芸員・教師・アーティストなど主要な関係者から聞き取り調査を行い、美術教育における美術館利用のあり方や表現活動と鑑賞活動を有機的に結びつける手法、そして、アーティストを媒介にした現代の美術の動向を学校に伝達する方法を明らかにした。