著者
道城 裕貴 原 説子 山本 千秋 田中 善大 江口 博美 松見 淳子
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.175-186, 2008-05-31 (Released:2019-04-06)
被引用文献数
3

本研究の目的は、(1)発達障害児に模擬授業場面において個別およびグループトレーニングを行い、小学校で必要な行動を身につけさせること、(2)母親へのチェックリストにより教室場面での般化を確認することであった。対象児は、広汎性発達障害と診断された就学前の6歳2か月の女子1名であった。トレーナーおよびアシスタントは大学院生であった。模擬授業場面は、大学内に設置した小学校の教室場面と類似した環境であった。標的行動は、予備観察から「手を挙げて発表する」などの34の授業準備行動を選択した。個別トレーニングは1対1、グループトレーニングは1対2以上で行い、(1)個別トレーニング、(2)グループトレーニングという順で導入した。トレーニングでは、課題分析、モデリングやプロンプトなどの行動的技法を用いた。フォローアップでは、参加児が就学後に母親のチェックリストの記入により教室内における般化を検討した。結果として、大学の模擬授業場面において、発達障害児はさまざまな授業準備行動を身につけ、教室場面においても般化を確認することができた。
著者
山本 千秋
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.9, pp.311-319, 1981-09-25

ローソンヒノキを雌親とし, サワラ, ヒノキおよびヌマヒノキを雄親とする種間交雑をおこない, 球果, タネおよび苗木のできかたの違いから, 用いた樹種間の交雑の可能性を検討した。結果率, 1球果あたりのタネ数および真正発芽率については, 種内他家交雑と各種間交雑との間に差異はなかった。タネの充実率は, ローソンヒノキ×サワラが雌親の種内他家交雑の4分の1から半分という値を示した。これは, 従来のヒノキ属の種間交雑としては高い値である。ついで, ローソンヒノキ×ヒノキが比較的高かったが, ローソンヒノキ×ヌマヒノキはほぼ完全な交雑不稔性を示した。結果率, 1球果あたりタネ数および充実率は交雑年度間に差があり, 結果率をのぞく他の2形質は雌親間にも差がある傾向が認められた。成苗率は, ローソンヒノキ×ヒノキで相対的に高い値を示したが, ローソンヒノキ×サワラ苗では, 発芽個体の85%以上が黄子(致死)であったため最も低かった。総合的にみて, 雑種の作出が相対的に容易な組合せはローソンヒノキ×ヒノキであると判断された。