著者
山本 忍 新妻 知行 伊藤 久雄
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.345-356, 1994-01-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
19

難治性気管支喘息患者14例に柴朴湯エキス剤7.5g/日を投与し投与前後52週の長期で比較検討した。喘息点数及び臨床症状より14例中8例 (57.1%) にやや有効以上の効果がみられステロイド節減効果は14例中6例 (42.9%) に認められた。また服用患者の尿中排泄物質を測定し厚朴の一成分マグノロールを検出。有効例では遊離型マグノロールが帯有意に増加を示しマグノロールの抱合化能の測定が臨床的に有用な指標となることが示唆された。また柴胡剤のステロイド節減効果の作用機序の1つと考えられているステロイド代謝酵素11β-hydroxy steroid dehydrogenase (11-HSD) の阻害作用を3つの柴胡剤について健常者を対象に検討。柴朴湯は11-HSD活性を低下させ, プレドニゾロン (PSL) の血中濃度を上昇させたが, 柴苓湯はPSLの体内動態に影響を及ぼさず, 小柴胡湯は逆に11-HSD活性を上昇させ, PSLの血中濃度を低下させ柴胡剤の中でも各々異なった結果を示した。
著者
保利 一 石田尾 徹 樋上 光雄 山本 忍
出版者
独立行政法人 労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所
雑誌
労働安全衛生研究 (ISSN:18826822)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.97-107, 2021-09-30 (Released:2021-09-30)
参考文献数
13

清掃作業のため喫煙室等に入って働く作業者や喫煙可能な飲食店等で働く作業者の受動喫煙を防止する方法としては,作業環境管理上の対策が困難であることから,呼吸用保護具の活用が有効と考えられる.しかしながら,現在使用されている呼吸用保護具がたばこ煙に有効であるか否かは検討されていない.そこで,防じんマスク,防毒マスクの吸収缶および新たに開発した極性と非極性の性質を有する両親媒性吸着材のたばこ煙に対する捕集特性を調べた.その結果,粉じんについては,現在の区分RL2,DS2以上の防じんマスク用フィルタであれば,98%以上捕集できることが認められた.ガス状物質については,防じんマスクではほとんど捕集できないが,活性炭素繊維入り防じんマスクは若干ではあるが捕集することが認められた.一方,有機ガス用防毒マスク吸収缶は有機物質をかなり捕集できること,また活性炭とセピオライトを7:3で配合した両親媒性吸着材およびホルムアルデヒド用吸収缶では,アルデヒド類やアセトンをほぼ捕集できることが示された.また,活性炭入り防じんマスクは低沸点の揮発性有機化合物(VOC)はほとんど除去できなかったが,ベンゾ[a]ピレンやニコチンは98%以上捕集できることが示された.ただし,臭気については,防じんマスク用フィルタはほとんど効果がないこと,また,防毒マスク吸収缶でも50%程度以下しか除去することができないことがわかった.
著者
保利 一 石田尾 徹 樋上 光雄 山本 忍
出版者
独立行政法人 労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所
雑誌
労働安全衛生研究 (ISSN:18826822)
巻号頁・発行日
pp.JOSH-2020-0023-GE, (Released:2021-08-18)
参考文献数
13

清掃作業のため喫煙室等に入って働く作業者や喫煙可能な飲食店等で働く作業者の受動喫煙を防止する方法としては,作業環境管理上の対策が困難であることから,呼吸用保護具の活用が有効と考えられる.しかしながら,現在使用されている呼吸用保護具がたばこ煙に有効であるか否かは検討されていない.そこで,防じんマスク,防毒マスクの吸収缶および新たに開発した極性と非極性の性質を有する両親媒性吸着材のたばこ煙に対する捕集特性を調べた.その結果,粉じんについては,現在の区分RL2,DS2以上の防じんマスク用フィルタであれば,98%以上捕集できることが認められた.ガス状物質については,防じんマスクではほとんど捕集できないが,活性炭素繊維入り防じんマスクは若干ではあるが捕集することが認められた.一方,有機ガス用防毒マスク吸収缶は有機物質をかなり捕集できること,また活性炭とセピオライトを7:3で配合した両親媒性吸着材およびホルムアルデヒド用吸収缶では,アルデヒド類やアセトンをほぼ捕集できることが示された.また,活性炭入り防じんマスクは低沸点の揮発性有機化合物(VOC)はほとんど除去できなかったが,ベンゾ[a]ピレンやニコチンは98%以上捕集できることが示された.ただし,臭気については,防じんマスク用フィルタはほとんど効果がないこと,また,防毒マスク吸収缶でも50%程度以下しか除去することができないことがわかった.