著者
森本 泰夫 保利 一
出版者
日本エアロゾル学会
雑誌
エアロゾル研究 (ISSN:09122834)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.161-163, 2003-09-20 (Released:2007-10-10)
参考文献数
12
著者
保利 一 石田尾 徹 樋上 光雄 山本 忍
出版者
独立行政法人 労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所
雑誌
労働安全衛生研究 (ISSN:18826822)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.97-107, 2021-09-30 (Released:2021-09-30)
参考文献数
13

清掃作業のため喫煙室等に入って働く作業者や喫煙可能な飲食店等で働く作業者の受動喫煙を防止する方法としては,作業環境管理上の対策が困難であることから,呼吸用保護具の活用が有効と考えられる.しかしながら,現在使用されている呼吸用保護具がたばこ煙に有効であるか否かは検討されていない.そこで,防じんマスク,防毒マスクの吸収缶および新たに開発した極性と非極性の性質を有する両親媒性吸着材のたばこ煙に対する捕集特性を調べた.その結果,粉じんについては,現在の区分RL2,DS2以上の防じんマスク用フィルタであれば,98%以上捕集できることが認められた.ガス状物質については,防じんマスクではほとんど捕集できないが,活性炭素繊維入り防じんマスクは若干ではあるが捕集することが認められた.一方,有機ガス用防毒マスク吸収缶は有機物質をかなり捕集できること,また活性炭とセピオライトを7:3で配合した両親媒性吸着材およびホルムアルデヒド用吸収缶では,アルデヒド類やアセトンをほぼ捕集できることが示された.また,活性炭入り防じんマスクは低沸点の揮発性有機化合物(VOC)はほとんど除去できなかったが,ベンゾ[a]ピレンやニコチンは98%以上捕集できることが示された.ただし,臭気については,防じんマスク用フィルタはほとんど効果がないこと,また,防毒マスク吸収缶でも50%程度以下しか除去することができないことがわかった.
著者
保利 一 石田尾 徹 樋上 光雄 山本 忍
出版者
独立行政法人 労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所
雑誌
労働安全衛生研究 (ISSN:18826822)
巻号頁・発行日
pp.JOSH-2020-0023-GE, (Released:2021-08-18)
参考文献数
13

清掃作業のため喫煙室等に入って働く作業者や喫煙可能な飲食店等で働く作業者の受動喫煙を防止する方法としては,作業環境管理上の対策が困難であることから,呼吸用保護具の活用が有効と考えられる.しかしながら,現在使用されている呼吸用保護具がたばこ煙に有効であるか否かは検討されていない.そこで,防じんマスク,防毒マスクの吸収缶および新たに開発した極性と非極性の性質を有する両親媒性吸着材のたばこ煙に対する捕集特性を調べた.その結果,粉じんについては,現在の区分RL2,DS2以上の防じんマスク用フィルタであれば,98%以上捕集できることが認められた.ガス状物質については,防じんマスクではほとんど捕集できないが,活性炭素繊維入り防じんマスクは若干ではあるが捕集することが認められた.一方,有機ガス用防毒マスク吸収缶は有機物質をかなり捕集できること,また活性炭とセピオライトを7:3で配合した両親媒性吸着材およびホルムアルデヒド用吸収缶では,アルデヒド類やアセトンをほぼ捕集できることが示された.また,活性炭入り防じんマスクは低沸点の揮発性有機化合物(VOC)はほとんど除去できなかったが,ベンゾ[a]ピレンやニコチンは98%以上捕集できることが示された.ただし,臭気については,防じんマスク用フィルタはほとんど効果がないこと,また,防毒マスク吸収缶でも50%程度以下しか除去することができないことがわかった.
著者
郡山 一明 保利 一 山田 紀子 井上 尚英 河野 慶三
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
Journal of UOEH (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.25-28, 1991-03-01 (Released:2017-04-11)
被引用文献数
1 1

メタノール - トルエン系と酢酸エチル-トルエン系の混合有機溶剤の気液平衡関係について, それぞれの溶剤の気相濃度の実測値と, 溶液を理想溶液と仮定した場合の理論値とを比較検討した. 酢酸エチル-トルエン系の混合溶剤では, 酢酸エチルの気相濃度は実測値と理論値が, 比較的良く一致していた. メタノール-トルエン系の混合溶液では, メタノールの気相濃度は, 特にメタノールの含有率が5%以下の領域において, 理論値よりも著しく高濃度になることが分かった. 混合有機溶剤曝露の健康影響評価については, 液相成分の組成のみならず, 気相濃度の測定が重要であると考えられた.
著者
大久保利一著
出版者
オーム社
巻号頁・発行日
1990
著者
保利 一 三浦 義正 小嶋 暁美
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.481-486, 1989-12-01

酸化エチレンガス滅菌に使用されているガスは, 二酸化炭素やフロンなどとの混合ガスである. これらのガスは高圧容器(ボンベ)に充填され, 液化ガスとして供給される. このガスの使用条件および滅菌機内のガス濃度を把握することは確実な滅菌を行う上で重要である. そこで, ガス滅菌に広く使用されている酸化エチレン20%, 二酸化炭素80%の混合ガスについて, 滅菌時に使用するガスの量をボンベの重量変化から計測するとともに, 滅菌機内のガスの濃度を経時的に調べた. 滅菌機内の酸化エチレンの濃度は使用量とともに高くなり, ボンベ内のガスの組成が変化することが認められた. また, ボンベ内に充填されているガスのうち,最後の約12%は酸化エチレンの濃度が極端に低くなるため, 滅菌には使用できないことがわかった. この使用不能なガスの量は, 液がすべて気化した場合のボンベ内のガスの量に一致し, 気液平衡関係から, 使用回数, 使用量などボンベ内のガスの使用可能な条件を予測できることが示された.(1989年5月15日 受付, 1989年8月3日 受理)
著者
保利 一 則武 祐二 砂金 光記 東 敏昭
出版者
産業医科大学
雑誌
試験研究(B)
巻号頁・発行日
1994

有機溶剤蒸気の環境測定や個人曝露量の測定には活性炭管を使用する固体捕集方法が広く用いられている.しかし,活性炭管は蒸気が破過しても使用中にこれを検出することは不可能であるため,特に個人曝露量の測定のように長時間の捕集を行う場合,破過により正確な測定ができない可能性がある.そこで半導体ガスセンサーを利用し,使用中に破過を検出する装置を開発した.まず,センサーの特性とと破過曲線の関係について調べた.すなわち,有機溶剤蒸気を活性炭管およびセンサーを装着したカラムに通じた.センサーからの出力信号を定期的にICカードに記録するとともに,センサーの下流側に設置したサンプリングポートから空気を採取し,FID付ガスクロマトグラフ(GC)で濃度を経時的に測定し,破過曲線を求めた.測定終了後,ICカードに記録されたデータをパーソナルコンピュータに転送し,センサーの抵抗値の経時変化をGCによる破過曲線と比較検討した.溶剤蒸気にはアセトン,ジクロロメタン,クロロホルム,1,1,1-トリクロロエタン,メタノール,IPA,酢酸メチル,酢酸エチル,トルエン,1-ブタノール,メチルエチルケトンを用いた.GCで破過破過を検出する以前にセンサーは破過を検知し,抵抗値が変化することが認められた.ただし,ジクロロメタンとクロロホルムについては,センサーの抵抗値の変化は小さく,抵抗値と破過曲線の立ち上がりはほぼ同時であった.この傾向は,乾燥空気でも高湿度(80%)の条件でもほぼ同様であった。ただし,ジクロロメタンとクロロホルムに関しては,高湿度条件下ではセンサーは破過を検知できなかった.以上の結果に基づき,破過を検出すると警報で知らせるシステムを試作し,その実用性について検討した.