著者
山本 明歩 Akiho YAMAMOTO 京都文教大学総合社会学部 KYOTO BUNKYO UNIVERSITY Department of Social Relations
出版者
京都文教大学
雑誌
総合社会学部研究報告 = Reports from the Faculty of Social Relations (ISSN:21888981)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.11-26, 2012

Anabaptists, who reside in many countries throughout the world, include the Mennonites, the Amish, the Brethren and Hutterites. The customs in some of the old-order groups in Anabaptists are distinguishable in many ways from those of the society around them. This difference, along with their religiousness, makes them look fundamentalistic and conservative. In short, they are often viewed as groups of people who restrict personal freedom and resist any changes in lifestyle. In contrast to such observations, this paper argues that Anabaptists actually put emphasis on individual choice and that this leads to the diverse cultural traits and behavior which include what seems to be the resistance to assimilation or acculturation observed in traditional groups.
著者
遠藤 央 Hisashi ENDO 京都文教大学総合社会学部 KYOTO BUNKYO UNIVERSITY Department of Social Relations
出版者
京都文教大学
雑誌
総合社会学部研究報告 = Reports from the Faculty of Social Relations (ISSN:21888981)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.1-9, 2012

1990年に現在のパラオ共和国を訪れたとき、そこはまだ独立以前の国際連合の「戦略的」信託統治領であり、独立への道を模索している最中であった。さまざまな話を聞いたなかで印象的であったのは、敗戦後の引き揚げのなかで残されてしまった、両親がともに日本人であったこどもの話であり、日本統治がどのような影響を与えたのかを知ろうとする現地の人々の主張であった。それらは、いわゆる「外地」の比較を帝国研究のなかでどのように位置づけることができるのかを研究するきっかけとなるものであった。敗戦後すぐにいわゆる帝国臣民は「日本人」と「非日本人」と分類され、「日本人」は外地から内地へ引き揚げ、「非日本人」は内地から外地へ、外地から外地へ、あるいはまれな事例であるが、外地から内地へと移動することになる。「日本人」は「連合国国民」、「中立」、「敵国民」、「戦争の結果扱いが変更された国民」、「朝鮮人及び台湾人」に分類された。それらの人々がどのように移動し、また移動できず(せず)、そのことがどのように戦後秩序に影響したかを考察することが必要である。なぜなら、帝国研究において、まがりなりにもイギリスやフランスは、植民地の人々が旧宗主国に移動し、政治的な影響力を行使できるようになることで、「宗主国の脱植民地化」がおこなわれたのに対して、日本と米国はそうしたプロセスを経ていない点に特徴があると指摘されているからである。