著者
山本 潤二 村上 斉 砥出 勝雄 味岡 廣房 三宅 秀和
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.36, no.Supplement5, pp.149-158, 1988-10-10 (Released:2011-08-04)
参考文献数
12

新しいセフェム系抗生物質であるTHR-221の中枢神経系への影響をマウス, ラット, ウサギ, ネコおよびイヌを用いて検討した。THR-221 1500mg/kg, i. v. までの投与において, マウスの自発運動量, hexobarbital睡眠, 電撃・pentylenetetrazolけいれん, 協調運動, 酢酸stretchingおよびラットの正常体温, 条件回避反応に対して影響は認められなかった。また同用量の投与において, ウサギの自発脳波, 音・光刺激反応およびネコの脊髄反射に対しても影響は認められず, イヌにおいて1500mg/kg, i. v. でのみ軽度の嘔吐が観察されただけであった。以上の結果から, THR-221の中枢作用は弱いことが分り, THR-221は中枢神経系への影響が少ない抗生物質であると考えられる。