著者
福嶋 真志 來村 徳信 溝口 理一郎 山本 瀬奈 間城 絵里奈 淺野 耕太 田墨 惠子 青木 美和 中村 成美 荒尾 晴惠
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.SWO-058, pp.05, 2022-11-22 (Released:2022-12-03)

本研究の目的は,がん治療の副作用による生活上の問題点を感じているがんサバイバーの生活改善を支援するために,問題を解決する生活の知恵を知識モデルとして記述し,患者同士が生活の知恵を共有・活用できるシステムを開発することである.文献や患者インタビューの分析結果に基づいて,行為分解木というオントロジカルな枠組みを援用して,投薬から症状の発現,症状から日常生活における問題点と,それに対する対処方法を,原因—結果の因果連鎖として構造化し,対処方法を分類して,知識モデルとして記述した.記述した知識モデルに基づいて,患者がWebブラウザ上で生活上の問題点から対処方法を閲覧・共有できる知識共有システムのプロトタイプを開発した.本稿では設計思想,プロトタイプの機能と動作などについて報告する.
著者
竹井 友理 山本 瀬奈 師岡 友紀 南口 陽子 畠山 明子 辰巳 有紀子 荒尾 晴惠
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.35-43, 2021 (Released:2021-02-09)
参考文献数
23

【目的】本研究の目的は,がん患者の緩和ケア開始時期の認識と関連要因を明らかにすることである.【方法】がん診療連携拠点病院に入院・通院中のがん患者を対象に無記名自記式質問紙調査を行った.個人属性,がん・治療状況,緩和ケア開始時期の認識,緩和ケアの認知や提供状況を調査し,ロジスティック回帰分析を行った.【結果】3,622名のうち1,981名(54.7%)の回答を得た.1,187名(59.9%)が早期から,414名(20.9%)が終末期からの緩和ケアの認識であった.症状への対応あり(vs.該当なし,OR=0.56),再発・転移あり(vs.なし,OR=1.44),40代以下(vs.70代以上,OR=1.67)は終末期からの緩和ケアの認識と有意に関係した.【考察】症状への対応が必要となる前から緩和ケアの普及啓発を行うことが早期からの緩和ケアの認識を促進する可能性がある.