著者
北垣 徹 山根 明弘 中馬 充子 川上 具美 田中 友佳子 K.J Schaffner
出版者
西南学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

2017年5月に西南学院大学にて研究会議を開催し、研究代表者である北垣徹が司会を務め、先ず自身が、「労働する生-優生学の政治的無意識」と題する報告を行い、その後、研究分担者、連携研究者、及び、研究協力者が各自の研究計画を発表した。7月には西南学院大学生命倫理研究会分科会「生命倫理の学際的研究」を西南学院大学にて開催し、『日本が優生社会になるまで』(勁草書房, 2015)の著者である横山尊を招聘し、「拙著『日本社会が優生社会になるまで』が生命倫理の学際的研究に為しうることー相模原障害者殺傷事件から1年を踏まえて」と題する講演を行って頂き、研究分担者である中馬充子が討論者として、書評を含みつつ、この講演に対する批評を行った。その後、横山氏と参加者達との白熱した討議が展開された。当分科会には自立生活センター久留米代表の古川克介氏も招待し、障害者の観点からこの講演に対する感想を述べて頂いた。2018年3月には、西南学院大学大学院にて公開シンポジウム「優生保護法下で何が行われたのか」を開催した。立命館大学生存学研究センターの利光惠子氏、福岡合同法律事務所弁護士の久保井摂氏をシンポジストとして招聘し、前者は「戦後日本における障害者への強制的な不妊手術をめぐって」と題する報告を、後者は「優生保護裁判と国家賠償への展望」を題する報告を行った。また、前述の横山尊氏と分科会員である、日本薬科大学元教授、波多江忠彦氏にコメンテーターを務めて頂いた。加えて、前述の中馬充子もシンポジストとして登壇し、「優生思想を支えた戦後の保健科教育」と題する報告を行った。当シンポジウムにはマス・メディアの記者も招待し、熊本日日新聞の4月8日付けの記事でこのシンポの内容が紹介された。