著者
山根 智沙子 山根 承子 筒井 義郎
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-26, 2008 (Released:2011-12-03)
参考文献数
31
被引用文献数
5

本稿は,地域間格差を測るには,所得よりも住民の幸福度を用いるべきであると主張し,大阪大学21世紀COEが2003年度∼2006年度に実施したアンケート調査を用いて,所得と幸福度による地域間格差を分析した.まず,県の平均値の多重比較,ジニ係数,県ダミー変数への回帰という3つの方法によって,幸福度の格差は所得の格差より小さいことを見出した.次に,回帰分析によって,性別,年齢をはじめとする個人属性,並びに所得のうち個人属性に由来する部分を調整した場合,県別での幸福度の差はほとんど解消することを見出した.2003年∼2006年に,所得の全国平均値は増大する一方,所得格差は拡大したこと,幸福度の全国平均値は低下したが,幸福度の格差は拡大していないことを示した.
著者
山根 智沙子 山根 承子 筒井 義郎
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学
巻号頁・発行日
vol.2, pp.145-148, 2009

本稿は,大阪大学21世紀COEが実施したアンケート調査を用いて,所得と幸福度による地域間格差を分析した.まず,幸福度の格差は所得の格差より小さいことを見出した.次に,個人属性に由来する部分を調整した場合,県別での幸福度の差はほとんど解消することを見出した.また時系列でみると,所得格差は拡大したが,幸福度の格差は拡大していないことを示した.