著者
梶原 瑠衣 山根 泰志
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.125, pp.2166, 2024-03-31 (Released:2024-03-05)

九州大学附属図書館は,貴重書等の画像を活用した図書館グッズを,九州大学生活協同組合と共同制作した。当該商品は,九州大学のオリジナルグッズのひとつとして,2021年に販売が開始され,恒常的に誰でも購入できる状態となっている。また,寄附事業「九州大学デジタル資料整備事業」の返礼品としても活用している。従来,九州大学附属図書館では無償の図書館グッズを制作したことはあったが,販売用グッズ制作は初めての試みとなった。1年以上かけて制作した図書館グッズについて,完成までの道のりを紹介する。
著者
山根 泰志
出版者
九州大学附属図書館
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
pp.32-45, 2014

九州大学附属図書館所蔵廣瀬文庫に,現在の福岡県と佐賀県の県境にある背振山における国境を巡って,筑前(福岡藩)と肥前(佐賀藩)が争った際に作成された背振山の絵図(『背振山堺図』)が所蔵されていることが判明した.本稿では,『背振山堺図』の概要等を報告するとともに,その他の廣瀬文庫絵図類も併せて紹介する.
著者
中里見 敬 山根 泰志 中尾 友香梨 中里见 敬
出版者
九州大学大学院言語文化研究院言語研究会
雑誌
言語科学 (ISSN:02891891)
巻号頁・発行日
no.48, pp.95-119, 2013

九州大学附属図書館濱文庫所蔵の唱本について、これまでに第十一帙までの目録稿を作成した。本稿では引き続き第十二帙に収められる唱本について著録を行う。なお、著録の方針については、「濱文庫所蔵唱本目録稿(一)」(『言語科学』45, 2010)の前言をご参照いただきたい。 第十二帙80冊(ほかに欠本1冊)は西安刊行の唱本である。同じ西安唱本には第八帙13冊があったが、第八帙が刊本であったのに対して、第十二帙は石印本という違いがある。そのサイズは縦16.5~17cm、横10cm程度と、他の唱本が約15cm×10cmであるのと比べてやや縦長である。表紙は彩色の図画からなり、さらに黒白の挿図が冒頭に一枚置かれている(末尾の書影参照)。表紙には「陝西省城南院門德厚祥書局發行」とあるほか、第1冊から第81冊まで『千字文』の文字順に「天地元黄、宇宙洪荒」(元は玄の諱字。清康煕帝の諱・玄燁を避けた)と一文字ずつ順番が付けられている。また石印本であるために、木版本よりも一葉あたりの字数が大幅に増えた結果、一冊に三、四つの故事を掲載するものが多い。装丁について見ると、従来の木版本同様に一葉を二つ折りにして袋とじにしたものと、洋装本同様に一枚(半葉大)の両面に文字を印刷したものとが混在し、両者では紙質も異なる。唱本の印刷形態が刊本から石印本を経て鉛活字本へと変化する過渡期に位置するこのシリーズは、唱本の発展史を証する貴重な資料である。西安の唱本は、早稲田大学図書館の風陵文庫に義興堂書局および翊華書局の石印本が6種所蔵されており、濱文庫本と体裁が一致している。なお、濱一衛は1936年の旅行で西安を訪れていることから、そのときに入手した可能性が高い。
著者
山根 泰志
出版者
雅俗の会
雑誌
雅俗 (ISSN:13437577)
巻号頁・発行日
no.16, pp.44-60, 2017-07
著者
相部 久美子 梶原 瑠衣 古賀 京子 星子 奈美 山根 泰志
出版者
九州大学附属図書館
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.1-12, 2017-08

九州大学附属図書館では,近年の図書館員の関心の高まりにより,所蔵資料に押印された蔵書印の画像収集や印主の調査が行われてきた.それらの成果を公開するデータベースとして「蔵書印画像」ブラウズ画面を公開している.本稿は,そうした蔵書印収集と公開による様々な成果や事例を報告し,その意義を示すものである.また,特筆すべき例として,近年発見された,医学史・デザイン上極めて価値の高い「ショイベ文庫」の蔵書票について紹介する.