著者
林 豊 泉 愛 兵藤 健志 野原 ゆかり 芦北 卓也 堀 優子
出版者
九州大学附属図書館
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.18-25, 2018-07

本稿では,2017年12月に九州大学附属図書館の実施した図書館計算機システムのリプレイスについて,主にWebサービス(九大コレクション,世界の文献,マイページ)のリニューアルに焦点を当て,概要を記す.
著者
南 俊朗
出版者
九州大学附属図書館
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.18-27, 2013-09

大学にとって最も重要な課題は教育力の向上である.大学の一部署である大学図書館にとっても学生支援は大きな課題である.昨今は少子化などの社会的変化に伴い入学してくる学生の多様化が進んでいる.我々はデータに基づいてこのような学生の実像を把握する研究を行ってきた.図書館データとしては特に貸出記録に注目し,授業データとしては出席,宿題,試験,そして学生の自己・授業評価アンケートを用いる.本稿では,大学の教育力向上,特に社会人・職業人としての教育力の観点からこれらの研究結果を総括し,今後の方向性を議論する.
著者
林 豊 泉 愛
出版者
九州大学附属図書館
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.26-30, 2018-07

2018年1月に九州大学教員活動進捗・報告システム(Q-RADeRS)と九州大学学術情報リポジトリ(QIR)の連携を開始した.本稿では,本学のオープンアクセス方針,各システムおよび連携の概要,その効果,今後の課題について記す.
著者
柳 炳章 南 俊朗
出版者
九州大学附属図書館
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.1-10, 2009
被引用文献数
1

インターネット経由で入手できる情報が膨大になり,また,情報を探しだすための検索エンジンが高度化したことにより,Web を使って情報を入手するのが一般化した.電子ブックなどの図書館資料を自宅で閲覧することもできる.これからますますディジタル情報への需要が高まっていくであろう.図書館におけるディジタル資料の重要性と比重も同様に大きくなると考えられる.図書館は従来の紙資料とディジタル資料の両方を扱うハイブリッド図書館化への道を歩んでいる.今後ますます図書館に出向かずに図書館を利用する傾向が強まるであろう.一方,図書館には資料の提供以外に学習の場,コミュニティの人々の交流の場を提供するなどの文化的社会的役割もある.今やハイブリッド化した図書館における"場"のあり方を根本的に見直すべき時期にある.すでにLearning Commons などの形で利用者個人やグループでの学習を快適化する努力が大学図書館を中心に進められている.本稿ではハイブリッド図書館に対する場の構築策としてワンストップサービスの実現を提案する.館内をテーマ別のレイアウトに再構成することにより利用者は同一エリアに滞在しつつハイブリッド資料や人的サービスを享受することができる.このようなサービスの統合化により,利用者の図書館への関心をより一層高めることができる.
著者
古賀 京子
出版者
九州大学附属図書館
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
no.2020, pp.29-34, 2021-08

九州大学医学図書館に保管されていた泌尿器科教室旧蔵の錦絵の整理を行った.疱瘡や麻疹等,疫病に関するものを中心とした錦絵であり,江戸時代の疫病観を窺ううえで貴重な資料である.本稿は目録整理に伴う基礎調査をまとめ,今後の電子化等による活用につなげていくものである.
著者
井上 創造 藤井 達朗 小材 健 池田 大輔
出版者
九州大学附属図書館研究開発室
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.17-22, 2008-10

学術情報リポジトリの未登録コンテンツも含めたアクセス履歴を研究者に提示することで,研究者のリポジトリへの登録の動機づけを目指すシステムを実装した例を紹介する.未登録コンテンツは九州大学研究者情報から得ることができる.研究者情報の文献を閲覧者がたどってリポジトリにアクセスした履歴を,SNS(SocialNetworking Service)の研究者用マイページに表示することで,研究者はリポジトリに未登録の自分のコンテンツにどのくらいのアクセスがあったかを知ることができるようになり,その研究者がコンテンツをリポジトリに登録する動機づけになるばかりでなく,アクセスの多い論文から優先的にリポジトリに登録することにつながるため,真に利用価値の高いコンテンツの蓄積が可能となる.
著者
三輪 宗弘
出版者
九州大学附属図書館
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.6-11, 2016-08

テキサス大学オースティン校ブリスコセンターでエクソンモービル資料の調査を行った.スタンダード石油会社やソコニーバキューム社の関係の企業資料が一括して寄贈され,利用できる.テキサスの石油やテキサスの政治や産業に関する資料も収集されており,充実している.写真のコレクションも膨大であり,積極的に集めている.テキサス州の地域資料の蒐集の拠点になっている.ジャズ音楽や米国の数学者のコレクションなど特異な分野でのコレクションもある.ジョンソン大統領図書館も隣接しており,池田勇人内閣,佐藤栄作内閣時代の日本関係資料やベトナム戦争関係,公民権運動の資料が公開されている.機密解除されていない資料も多い.
著者
岡崎 敦
出版者
九州大学附属図書館
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
pp.1-10, 2012

情報化の進展と国際化の拡大・深化のなかで,200年以上の歴史を誇るアーカイブズ学もまた変容を遂げてきた.ここでは,アーカイブズ,アーカイブズ学の現代的意義を再検証するため,その過去と現在をあらためて概観する.まずアーカイブズ,およびその管理についての基礎と現状を整理し,ついでフランスを例にとりながら,アーカイブズ管理の具体相を紹介する.最後に,情報管理のあり方自体が流動化する現在,どのような課題に直面しているのかについて論じる.
著者
小野 真由美 井上 創造 星子 奈美 森 雅生
出版者
九州大学附属図書館研究開発室
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.1-9, 2006

九州大学学術情報リポジトリ(略称QIR)とは、学内で生産された知的生産物を収集・蓄積・保存し、インターネットを通じて無償で配布するシステムである。QIRと研究者情報の連携は、各システムのユーザビリティの向上を目指すものであり、連携により、研究者情報の業績一覧からワンクリックで対応する文献の閲覧を可能にし、さらに研究者情報のデータを流用したQIRのデータ登録も実現している。本論文では、システム連携に関する課題から設計・実装方法を説明し、最後にデータの解析について述べる。
著者
藤崎 清孝 新美 孟
出版者
九州大学附属図書館
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
pp.11-17, 2013

RFIDシステムは,図書の自動貸出・自動返却等の図書館業務の効率化を図る上で核となる技術である.本報告では,卓上型のRFIDリーダの基本性能を調査すべく,標準的な構造をもつ卓上リーダの性能を評価した.また,卓上リーダを設置する台が金属の場合に,これが卓上リーダのタグの読み取り性能に与える影響を評価した.
著者
馬場 謙介 南 俊朗 伊東 栄典
出版者
九州大学附属図書館
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.60-67, 2009

インターネットやそれを利用したサービスが普及するに合わせて図書館資料も従来の紙資料からディジタル資料へと比重を移してきている.インターネットの利用が非常に進んだ国としてよく知られている韓国の図書館はこのような変化の中でどのようなサービスを行っているのかを調査するために2010年3月初旬ソウル市内にある先進的な図書館を訪問した.本稿は我々の訪問先である恩平区立図書館,正讀図書館,ソウル大学図書館,および韓国国立図書館などにおける図書宅配サービスや図書電子化に関する調査結果を報告し,また,それを踏まえて次世代の図書館サービスの在り方を考察する.
著者
岡崎 敦
出版者
九州大学附属図書館
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
no.2018, pp.1-7, 2019-07

地方自治体における公文書管理をテーマに,産官学連携のもと開催したイベントについて,企画の経緯と趣旨,基調講演の要旨,ワークショップの紹介,最後に,参加者のアンケートの分析結果をまとめたもの.公文書管理について,現場の職員,文書管理専門機関の双方において,あらたな発想による積極的な対応が求められている.一方では,組織のミッションの再検討と連動した職務や組織の見直しをはじめとする適性で合理的な組織運営の確保,他方では,情報公開にもとづく住民参加の行政や,ローカルな資料,情報資源のグローバルな価値付けや利活用などの課題がつきつけられている.民主主義社会の基礎細胞の一つを構成する地方自治体という場においても,公文書管理は,多様なアクターの参加を得ながら,適正かつ現実的な実践を展開することが求められているが、そこでは,「総合職的な」情報管理専門職,専門機関が重要な役割を果たすべきであり,組織と市民社会の信頼を勝ち取る必要がある.
著者
林 豊 小柳 貴俊 泉 愛 吉松 直美 井ノ上 俊哉 堀 優子 斎藤 未夏
出版者
九州大学附属図書館
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
no.2018, pp.21-27, 2019-07

九州大学附属図書館では,2018年10月より,インターネットで公開している所蔵貴重資料等のデジタル化画像の二次利用を大幅に自由化(オープン化)した.同時に,デジタル化されていない貴重資料等の二次利用手続きについても簡素化を果たした.本稿では,この取組みの概要,検討の過程,利用者からの反響,今後の展望について紹介する.
著者
斎藤 未夏 林 豊 上土井 宏太 岩﨑 崇宏 斎藤 友利子
出版者
九州大学附属図書館
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
no.2018, pp.8-13, 2019-07

九州大学附属図書館では,広報物の見直しに端を発して,九州大学附属図書館の広報戦略について検討・策定することを目的に,広報戦略検討チームを時限付きで設置した.広報戦略の検討にあたっては,まず,広報活動の現状を把握して課題を明確化した.次に,それらの課題を踏まえ,目指すべき図書館像を確認するとともに,その実現に向けた広報戦略の核となるものとして「九州大学附属図書館のブランドアイデンティティプリズム(案)」を策定した.最後に,ブランドアイデンティティプリズムを実践する方策と体制について提案した.
著者
林 豊 大村 武史 堀 優子
出版者
九州大学附属図書館
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
no.2018, pp.14-20, 2019-07

九州大学附属図書館では,図書館業務の改善を目的として,2019年3月よりヌーラボ社の販売するプロジェクト管理ツール「Backlog」(バックログ)の有料プランを導入し,正式運用を開始した.本稿では,導入の背景,試行運用の様子,運用方針の概要,今後の課題等についてまとめる.
著者
山根 泰志
出版者
九州大学附属図書館
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
pp.32-45, 2014

九州大学附属図書館所蔵廣瀬文庫に,現在の福岡県と佐賀県の県境にある背振山における国境を巡って,筑前(福岡藩)と肥前(佐賀藩)が争った際に作成された背振山の絵図(『背振山堺図』)が所蔵されていることが判明した.本稿では,『背振山堺図』の概要等を報告するとともに,その他の廣瀬文庫絵図類も併せて紹介する.
著者
古賀 京子
出版者
九州大学附属図書館
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
pp.46-49, 2014

伊都図書館の自動書庫に入っている資料の中でも珍しい資料について報告する.
著者
星子 奈美
出版者
九州大学附属図書館研究開発室
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.41-43, 2006-06-01

九州大学附属図書館における電子的サービス「きゅうとサービス」の概要と広報活動によって期待されるメリット
著者
中里見 敬
出版者
九州大学附属図書館
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.1-11, 2017-08

2016年に中国で出版・公開された劉承幹『求恕齋日記』および「1939年周作人日記」の中に,濱一衛に関する記述が見つかった.九州大学附属図書館濱文庫に所蔵される中国演劇資料を収集した濱一衛の中国留学・再訪に関するこれらの新資料を紹介し,あわせて「1939年周作人日記」によって由来が明らかになった濱文庫所蔵『春水』手稿本について論じる.