- 著者
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山森 靖人
- 出版者
- 関西外国語大学
- 雑誌
- 研究論集 (ISSN:03881067)
- 巻号頁・発行日
- vol.101, pp.121-138, 2015-03
1960年代、ウィチョール族(huichol)のシャーマンが描くサイケデリックな「抽象画」の芸術性が認知され、それと同調し、ウィチョール族民芸品の製作販売が始まる。現在、民芸品の製作販売は、彼らの重要な現金収入源となった印象を受ける。 しかし、Torres Contreras は、ウィチョール族の生産活動についての研究は少ないと指摘する(33)。彼らの民芸品についても、その概説やそこに表出された彼らの世界観を紹介・解説する著作は散見されるが、製作販売の現状に関する調査研究はほとんど行われていない。NahmadSittón による1970年代の状況に関する論考が見られるだけである(150-157)。 本稿では、現地調査により収集した情報に基づき、ウィチョール族の民芸品販売の現状を報告する。さらに、ウィチョール族にとって、現在の民芸品販売の「流行」がどのような意味をもつものであるのかを考察する。