著者
山田 拓也
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.255-262, 2019-09-05 (Released:2019-10-08)
参考文献数
1

イラン・イスラム共和国は中東の乾燥地帯及び半乾燥地域に位置している.1968年以降の降水統計を見ると,イラン全国の年平均降水量の過去50年間平均は,約248 mmである.しかしながら,年平均降水量は減少傾向を示しており,年平均降水量の近10年平均は約220 mmと,11 %程度減少している.これに伴い利用可能な水資源量も減少傾向にある.一方人口は増加の一途をたどり,1950年頃には3,000万人を下回っていた人口が2019年現在では約8,000万人を上回っている.加えて,都市化の進展や農業活動の活発化などにより水需要は著しく高まり,年間の水資源量のうち86 %を人間活動で使用しているなど,高度の水ストレス状態となっている.この結果,国内の様々な地域において恒常河川が間欠河川へと変化し,また社会活動における水の不足を補うために地下水位が継続的に低下している.このように,イランにおける水資源の管理に関する問題は,将来的なイランの社会経済活動の安定性や持続可能性に関わる非常に重要な問題となっている.本稿では,このようなイランの水資源管理が抱える課題について述べる.
著者
山田 拓也 山田 正
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会研究発表会要旨集 第18回(2005年度)水文・水資源学会総会・研究発表会
巻号頁・発行日
pp.138, 2005 (Released:2005-07-25)

津波の河川遡上や洪水波の流下等,河川を伝播する波動現象は河川管理上非常に重要な問題である. 特に河川蛇行部では曲率に伴う遠心力の影響により,波の振幅が増大する事が考えられる.従って川を遡上・流下する波動の解析には河川形状の影響を正確に反映する必要がある.従来,波動論では水深変化に伴う波形変化や砕波・分散の影響に関する1次元解析が幾多の研究者により研究され,優れた成果が示されている.一方,河川で生じる波動現象に着目し,河川形状を正確に考慮した二次元理論解析を行った研究は著者が調べる限り存在しない.本研究では, 任意河川形状に適合する一般化座標系を用いて河川形状を解析に正確に反映した河川に於ける波動解析を行う.