著者
志渡 晃一 森田 勲 竹内 夕紀子 佐藤 陽香 山田 耕平
出版者
北海道医療大学
雑誌
北海道医療大学看護福祉学部紀要 (ISSN:13404709)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.79-85, 2004
被引用文献数
2

若年者における体型意識の実態をあきらかにすることを目的として、看護福祉学部臨床福祉学科と医療福祉学科医療福祉専攻の男女学生377名を対象にアンケート調査を実施した。BMIをもとに体型を「痩せ群」BMI<20、「標準群」20≦BMI<24、「肥満群」BMI≧24の3群に分類し、特に「痩せ群」の体型意識に焦点を当てて、性別特性を検討し、以下の結果を得た。1)現在の体重をもとに算出したBMI「現実BMI」の値(平均値±標準偏差)は、男(21.6±2.6)に比べて女(20.0±2.3)で低かった。体型分類別にみると、男では「標準群」(60%)が最も多く、ついで「痩せ群」(25%)、「肥満群」(15%)だったのに対して女では「痩せ群」(60%)が最も多く、次いで「標準群」(36%)、「肥満群」(4%)の順だった。2)「現実BMI」と美容面からみて理想であるとした体重をもとに算出した「美容BMI」および健康面からみて理想であるとした体重をもとに算出した「健康BMI」の3者を比較村照した結果、男ではそれぞれ(21.6±2.6): (21.1±2.0): (21.6±3.3)と3者間に差がないのに村して、女では(20.0±2.3): (18.2±1.2): (18.7±1.8)と「現実BMI」に比べて「美容BMI」「健康BMI」で有意(p<.05)に低く、痩せ志向が窺われた。3)「現実BMI」「美容BMI」「健康BMI」の3者について、「痩せ群」を性別にみると、男では(18.5±1.1): (20.1±1.4): (20.5±1.2)と理想に向けて体重を増加させようとする傾向があるのに対して女では(18.6±1.0): (17.7±0.8): (18.1±2.0)とむしろ減少させようとする傾向を示した。4)現在の体型について「普通より太っている」と認識している率は、男(37%)に比べて女(54%)で有意(p<.05)に高かった。体型分類別にみると、男の「痩せ群」(0%)、「標準群」(42%)に比べて女の「痩せ群」(32%)、「標準群」(85%)で有意(p<.05)に高かった。反対に「普通より痩せている」と認識している率は、男の「痩せ群」(70%)に比べて女の「痩せ群」(9%)で有意(p<.05)に低かった。5)体型の変化について「現在より痩せたい」と志向している率は、男(54%)に比べて女(91%)で有意(p<.05)に高かった。体型分類別では、男の「痩せ群」(13%)、「標準群」(60%)に比べて女の「痩せ群」(85%)、「標準群」(100%)で有意(p<.05)に高かった。反対に「現在より太りたい」と志向している率は、男の「痩せ群」(47%)に比べて女の「痩せ群」(5%)で有意(p<.05)に低かった。6)理想の美容体型として、筋肉質体型を選んだ率は男(84%)、女性(52%)だった。「痩せ群」についてみると男に比べて女で細め日のシルエットを志向している割合が高かった。また、理想の健康体型として、筋肉質体型を選んだ率は男(78%)に比べて、女性(67%)だったが、「痩せ群」において性差はみとめられなかった。7)体型変化を志向する理由に関して、「痩せ群」についてみると、最も高い項目は男では「強くたくましくなりたい」(50%)、女では「体型が気になる」(59%)であった。痩せたい部分に関して最も高い部位は、男では「胴回り」(75%)、女では「もも」(70%)であった。8)ダイエットに関する情報源については、男では民放テレビ(58%)から得るという回答が最も多く、女性は週刊誌(57%)から得るという回答が最も多かった。また最も回答が少なかったものは新聞や教養書、インターネットからであった。全体に男に比べて女でマスメディアからの影響を多く受けていることが示唆された。
著者
小野 恭裕 本田 透 桑嶋 博史 菰渕 真紀 山田 耕平 横山 茂樹
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.52, no.8-9, pp.550-554, 2015 (Released:2015-08-29)
参考文献数
12

目的:当院で急性期リハビリテーション(以下,リハ)を行った脳卒中患者の血清アルブミン値の継時的変化を病型別に解析し,転帰との関係を検討した.方法:2008 年から2014 年の急性期リハを行い,リハ連携病院での転帰情報が得られた295 名を対象とした.血清アルブミン値を当院入院時から経時的に調査し,連携病院退院時のfunctional independence measure(FIM)を患者転帰の指標として,両者の関連性を調べた.結果:病型は脳梗塞170 名,脳出血105 名,くも膜下出血20 名であった.入院中に血清アルブミン値は全病型で低下し,最低アルブミン値は脳梗塞で3.1±0.6 g/dl,脳出血で3.1±0.6 g/dlと同程度であった.くも膜下出血は2.6±0.4 g/dlまで大きく低下したが,その後の回復は他の病型と同様であった.脳梗塞と脳出血においては最低アルブミン値と退院時FIM間に正相関がみられたが(p<0.001),くも膜下出血では関連性は認められなかった.結論:脳卒中リハ患者の血清アルブミン値と転帰は病型によって異なり,病型別解析の必要がある.