- 著者
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山田 豊一
川口 俊春
- 出版者
- 日本草地学会
- 雑誌
- 日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
- 巻号頁・発行日
- vol.18, no.1, pp.8-15, 1972-04-25
- 被引用文献数
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5
1.1966年10月3日,ホルスタイン種未経産牛にラジノクローバ,サブクローバ,イタリアンライグラス,オーチャードグラス,バヒアグラスの種子を給与し,約4日間パドック内で放牧し,経時的に排糞中の種子量(回収量),回収種子の活力,糞面からの出芽数などを調べた。またパドック内の排糞の一部をシバ草地に散置し,これからの出芽を長期にわたり調査した。2.種子の糞中回収は給与後12時間の時点ですでにみられ,36〜60時間で最高に達し,その後減少するものの84〜93時間においてもなお僅かながら続いた。3.種子の回収率を草種についてみると,バヒアグラスが最高で,イタリアンライグラスとサブクローバがこれに次ぎ,オーチャードグラスとラジノクローバが最も低かった。4.回収種子について発芽試験を行なった結果,発芽率そのものではイタリアンライグラスとラジノクローバが高く,以下バヒアグラス,オーチャードグラス,サブクローバの順となった。また発芽率と静止種子率の合計ではバヒアグラスとラジノクローバが高く,イタリアンライグラスが中聞で,オーチードグラスとサブクローバが低かった。5.シバ草地での糞面出芽調査成績から,各草種とも1頭あたり10,000粒が採食されたとして,1kg糞よりの出芽数を求めたが,給与後約1ヵ月においてイタリアンライグラス9.6,ラジノクローバ1.7,サブクローバ,オーチャードグラスとも0.4,バヒアグラス0.2となり,さらに越冬後の1967年5月にはそれぞれ,3.5,3.4,0.3,0.2,0となった。発芽適温を失したバヒアグラスを別として,排糞播種効果の高いのはイタリアンライグラスとラジノクローバであった。