著者
原田 信之 Nobuyuki Harada 岐阜大学教育学部
出版者
九州情報大学
雑誌
九州情報大学研究論集 (ISSN:13492780)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.51-68, 2006-03

ドイツでは、TIMSSやPISAなどの国際学力調査において、ドイツの生徒の学力低下とともに、60年代から取り組まれてきた「教育の機会均等」の理念の実現も立ち遅れている制度的課題も映し出された。また、地方分権国家のドイツでは国家的教育スタンダードによるカリキュラムの標準化が進行する一方、教科の再編・統合化の動きがみられる。そして新たな自由競争原理に根ざした改革と同時に、格差是正と平等性の保障が政策ターゲットとして掲げられている。米英型の「新自由主義政策」対独仏型の「社会的不平等の是正に重点を置く政策」という新たなるイデオロギーの対立が生じている情勢にあって、学力向上を目指すドイツのカリキュラム政策はどのような展開をみせているのか、その政策意図(政策ターゲット)と課題を本稿では明らかにするとともに、現代社会に求められる学力モデルについて考察する。