著者
岡太 彬訓
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.167-181, 2002-10-31 (Released:2009-02-10)
参考文献数
108
被引用文献数
3

社会学におけるクラスター分析法やMDS(多次元尺度構成法)の応用を概観し、手法の適用上で注目すべき点や問題点をとりあげ、これらの手法をより適切に利用し、また、より有意義な結果を導くにはどうすればよいのかを述べる。最初に、社会学に限らず、クラスター分析法やMDSの応用で一般的に留意すべき点、あるいは、多くの応用に共通して認められる問題点を述べる。次に、社会学における応用に焦点を絞り、それらの応用の特徴と具体的な問題点を述べ、問題点をどのように解決していけばよいのかを示唆する。次に、主として社会学で発達してきたクラスター分析法やMDSの手法、および、それらの利用方法に言及する。最後に、クラスター分析法やMDSの社会学における応用について、今後の展開の可能性を述べる。
著者
岡太 彬訓 古谷野 亘
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.169-182, 1993-10-10 (Released:2009-03-31)
参考文献数
27
被引用文献数
1

パーソナルコンピューターと統計パッケージの普及に伴って、多変量解析法は、それ以前に比べると非常に利用し易くなった。その結果、社会・行動科学においても、これらの方法が手軽に利用できるようになり、多変量解析法を利用する機会は飛躍的に増加し、さまざまな研究の進歩をもたらした。しかし、これは、別の問題すなわち多変量解析法の不適切な利用をも同時にもたらした。多変量解析法の不適切な利用は、分析過程での誤りと分析以前の誤りに大別できる。分析過程での誤りが、パーソナルコンピューターと統計パッケージの普及によって、表面化したことは、否めないであろう。しかし、これらの不適切な利用には、パーソナルコンピューターと統計パッケージそのものとは無関係に、利用者に問題がある場合も少なくない。本稿では、パーソナルコンピューターと統計パッケージそのものとは無関係に生じる、分析過程での問題に焦点を合わせる。そして、多変量解析法(重回帰分析法、因子分析法、多次元尺度構成法、および、クラスター分析法)について、それらの不適切な利用の典型的な例を挙げる。最後に、統計的手法を含む計量的手法の不適切な利用の原因を論じ、これらの原因の根本にある問題点を考察し、その解決のための方策を提案する。
著者
出口 慎二 岡太 彬訓 中山 厚穂
出版者
日本行動計量学会
雑誌
行動計量学 (ISSN:03855481)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.105-114, 2009 (Released:2010-06-29)
参考文献数
13

When we use multidimensional scaling (MDS) to analyze a dataset in which the magnitude of the values considerably differ (vary) among objects, for example, customer purchase history data, it often occurs that the only points of objects with large values scatter well in the configuration, but the others with small values do not scatter well. It is said that joint uses of MDS and cluster analysis is often desirable. In this study, we showed that the joint use of MDS and cluster analysis also worked well in the above case, through the analysis of two-mode three-way proximity data such as several variance-covariance matrices of objects obtained from each condition. We also used an external analysis with MDS to show the information about each of the two modes on the same configuration simultaneously, in order to easily observe the global structure of data through the configuration.