著者
林 健司 荒木 さおり 岡安 誠子 平松 喜美子 梶谷 みゆき
出版者
日本運動器看護学会
雑誌
日本運動器看護学会誌 (ISSN:2186635X)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.35-42, 2022-02-28 (Released:2022-03-11)
参考文献数
27

本研究の目的は,大腿骨近位部骨折術後高齢者における居宅での生活様相を明らかにすることである.データ収集方法は大腿骨近位部骨折術後で居宅での生活が1ヵ月経過した高齢者に対し半構造化面接を実施した.分析方法は修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチとした.結果,9名の研究参加者を得た.分析の結果,19個の概念が生成され,7つのカテゴリーに分類された.大腿骨近位部骨折術後に居宅退院した高齢者は『自由を手に入れる』一方で,『想定外の現実』に直面し,次第に『生活環境の狭小化』状況にあった.そんな中,徐々に『老いと折り合う』ことで,居宅で暮らす自分を客観視するようになっていた.そして,大腿骨近位部骨折術後に居宅退院した高齢者は,『前向きな依存』と『無理のない自律』の二方向で生活の再構築を始めつつあった.また,一度骨折を経験した高齢者は退院後,『脳裏によぎる再転倒』を抱えながら生活していた.
著者
吾郷 美奈恵 高橋 恵美子 岡安 誠子 小田 美紀子 小林 洋貴 山下 一也 Minae AGO Emiko TAKAHASHI Masako OKAYASU Mikiko ODA Hiroki KOBAYASHI Kazuya YAMASHITA
雑誌
島根県立大学出雲キャンパス紀要 (ISSN:2187199X)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.35-43, 2019-12-25

A大学では,大学IRコンソーシアムの正会員となり,ベンチマーク可能な標準調査として位置づけられた学生生活調査を全学生に行い,教学IR(Institutional Research)の取組を推進している。今回の目的は、学生の授業経験・学習態度や能力・知識の獲得状況からA大学における看護教育の現状を明らかにすることを目的とした。また,その結果をIRコンソーシアムの基礎集計結果と比較し,A大学の特徴について検討する。回答のあった307票(協力率91.4%)について分析した結果,A大学看護学科の現状や大学IRコンソーシアム結果の比較から,次のことが特徴と考えられた。■全ての学年で主体的に学び,看護に役立つ知識やスキルを学ぶ授業を経験している。■ TAやSAの活用は難しい現状にあるが,教員が添削やコメントなど丁寧な授業運営を行っている。■授業態度は悪くはないが,各学年に一定程度の欠席,遅刻,居眠りはある。■能力・知識の多くを学年進行に伴って獲得しているが,外国語や数理的な能力・知識は増えていない。■授業態度が良く,能力・知識が増えた者は成績順位上位者である。我が国においては,看護教育の質評価・質保証に必要な資源(人・設備・費用)等,これから体制整備がされていく状況にあるが,IR機能に着目し,教育の質を客観的に保証するとともに,更なる教育改善の方策を見出すことが重要である。