著者
梶谷 みゆき 平松 喜美子 三瓶 まり Miyuki KAJITANI Kimiko HIRAMATSU Mari SANPEI
雑誌
島根県立大学出雲キャンパス紀要 (ISSN:2187199X)
巻号頁・発行日
no.15, pp.107-112, 2019-12-25

ドイツの保健医療福祉について知見を得る目的でドイツのデュッセルドルフ市を訪問した。ドイツの代表的な公益福祉団体のひとつであるディアコニー福祉団体(Diakonisches Werk der EKD)が運営する高齢者施設を訪問し,管理者から入居者の状況や運営について説明を受ける機会を得た。ドイツもわが国も「社会保険モデル」を基盤とする介護保険制度を展開している。介護保険法を制定した後,社会のニーズや高齢化の様相に合わせて短期間で改正を重ねている点や,ケアスタッフの不足,認知症者の増加や老老介護などを背景とする在宅介護継続困難事例の増加などの共通性を認めた。一方で個人の自立に対する考え方,福祉や社会活動に対する考え方などにおける相違点を認めた。今回の研修成果を踏まえ,高齢者ケアや高齢者福祉の現状についてわが国と諸外国との比較など教育内容に反映させたい。
著者
平松 喜美子 池田 匡 三好 雅之
出版者
米子医学会
雑誌
米子医学雑誌 (ISSN:00440558)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.1-7, 2012-01

The safety for drinking of hot spring hydrogen water was examined for 27 healthy women. The research method was the crossover comparison examination of hot spring hydrogen water and tap water for four weeks. The blood cell count, liver function, kidney function, plasma lipids, and electrolytes were measured before and after drinking. Mean corpuscular volume and mean corpuscular hemoglobin concentration significantly decreased after drinking of hot spring hydrogen water and tap water. The plasma total protein, blood urea nitrogen, and total cholesterol significantly decreased after drinking the hot spring hydrogen water. Other data showed no significant changes. These results suggested that the drinking of hot spring hydrogen water was almost safe.
著者
林 健司 荒木 さおり 岡安 誠子 平松 喜美子 梶谷 みゆき
出版者
日本運動器看護学会
雑誌
日本運動器看護学会誌 (ISSN:2186635X)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.35-42, 2022-02-28 (Released:2022-03-11)
参考文献数
27

本研究の目的は,大腿骨近位部骨折術後高齢者における居宅での生活様相を明らかにすることである.データ収集方法は大腿骨近位部骨折術後で居宅での生活が1ヵ月経過した高齢者に対し半構造化面接を実施した.分析方法は修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチとした.結果,9名の研究参加者を得た.分析の結果,19個の概念が生成され,7つのカテゴリーに分類された.大腿骨近位部骨折術後に居宅退院した高齢者は『自由を手に入れる』一方で,『想定外の現実』に直面し,次第に『生活環境の狭小化』状況にあった.そんな中,徐々に『老いと折り合う』ことで,居宅で暮らす自分を客観視するようになっていた.そして,大腿骨近位部骨折術後に居宅退院した高齢者は,『前向きな依存』と『無理のない自律』の二方向で生活の再構築を始めつつあった.また,一度骨折を経験した高齢者は退院後,『脳裏によぎる再転倒』を抱えながら生活していた.
著者
前田 惠利 中本 幸子 池田 匡 西村 直子 芦立 典子 平松 喜美子
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.2_34-2_41, 2011-06-20 (Released:2011-07-15)
参考文献数
32

目的:高齢の在宅療養者を対象に,経口摂取群者と非経口摂取群者の口腔内衛生状態について検討した.方法:在宅療養中の65歳以上の高齢者56名を対象として,滅菌綿棒による口腔内擦掻により口腔内微生物を採取し,Staphylococcus aureus,Pseudomonas aeruginosaおよびCandida albicansを定量的に測定した.結果:P. aeruginosaは経口摂取者からは全く検出されなかったが,非経口摂取者において検出率(64.7%),総菌数(中央値2.0×10 CFUs/ml,範囲0~1.5×104 CFUs/ml)ともに有意に多かった(p<.001).S. aureus,C. albicansは検出率,総菌数ともにいずれも有意差はみられなかった.結論:高齢の在宅療養者においては,経口摂取者に比較して非経口摂取者の口腔内の衛生状態はより不良で,肺炎のハイリスク群であることが示唆された.