著者
岡崎 武二郎 高畠 浩 角 ゆかり 梅内 正勝 町田 豊平 小野寺 昭一 清田 浩
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.1-6, 1993-01-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
8

都立台東病院産婦人科でクラミジア陽性と診断された妊婦の男性配偶者で, 1989年8月から1992年5月までに同泌尿器科を受診した149症例を対象として, クラミジア血清抗体検査 (イパザイム®) と抗原検査 (クラミジアザイム®あるいはIDEIAクラミジア®) の2方法でクラミジア検査を行った.149例中90例 (60.4%) は, 抗体検査でクラミジア陽性であった. 抗原検査では, 149例中11例 (7.4%) が陽性を示し, この11例はすべて抗体も陽性であった.抗原陽性11例の患者は, 全例尿道炎の自覚症状はなかったが, 8例は他覚的には尿道炎の所見が認められた. しかし, 3例は自覚的にも他覚的にも正常で, 典型的な不顕性クラミジア感染症であった.今回の検討で, クラミジア抗原陽性症例は少なかったが, 抗体検査では半数以上が陽性であり, クラミジアは不顕性感染で家庭内に侵入していくものと思われた.
著者
岡崎 武二郎 大橋 誠 一言 広 石上 武 町田 豊平 小野寺 昭一
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.280-283, 1990

1988年に都立台東病院泌尿器科の男子淋菌性尿道炎患者から分離されたPPNG22株について, プラスミドDNAの測定を行った.<BR>PPNG22株のうち3株 (14%) は3.3メガダルトンのプラスミドを有し, しかも3株全部が同時に24.5メガダルトンの耐性伝達プラスミドをも有する新アフリカ型PPNGであった. また, 22株のうち19株 (86%) は4.4メガダルトンのプラスミドを有するアジア型であり, この19株のうち5株 (26%) は24.5メガダルトンのフプラスミドを有していた.<BR>新アフリカ型PPNG3症例の感染源は, 1例はフィリピンであったが, 2例は都内のソープランドであり, 新アフリカ型PPNGがすでに国内に定着していることが示唆された.