著者
田中 恒彦 岡嶋 美代 小松 孝徳
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.282-290, 2015-01-06 (Released:2015-01-06)
参考文献数
26

We suggest as an important tool in psychotherapy the use of onomatopoeia. Mood disorder and Anxiety disorder are among the most prevalent mental disorders, and Behavior therapy (BT) is an evidence-based psychological treatment suitable for these cases. Interoceptive sensation is important in BT, because it serves as a barometer for responses. On the other hand, standard assessment methods such as subjects unit of disturbance scale (SUDs) is not optimal. In a different approach, we feel a certain form of it, e.g. Doki-Doki, at the same time when feeling emotion. However, the SUDs is assessed without taking somesthesis into consideration. In addition, BT requires information on somesthesis in order to optimally perform the therapy. Here we propose a solution to this problem, based on using onomatopoeia for SUDs. It can assess appropriately the interoceptive sensations by which a patient is accompanied in anxiety. We report two clinical cases using onomatopoeia for SUDs. This makes for an improved therapy. The internal sense appears during the course of the disease. A treatment is thus provided which is not tied to a diagnosis name, but rather by emphasizing the ``internal sense,'' which is more effective in producing an improvement towards curing.
著者
岡嶋 美代 原井 宏明
出版者
一般社団法人日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.171-183, 2007-09-30

特定の恐怖症の血液・注射・外傷型は血管迷走神経性失神という特有な反応を伴う。これに対し筋緊張とエクスポージャーを用いた行動療法(applied tension)が有用とされる。この論文は注射恐怖の20代女性患者に対する行動療法の報告である。失神の予防が重要であること、重症例に対する治療には工夫が必要であることを論じた。症例は小児期から注射恐怖があり、受診時には注射だけでなく、恐怖対象に関連した写真や医療行為全般を見ること、恐怖対象を表現することばを読み書きすること、話したり聞いたりすること、また思い浮かべることも避けていた。治療当初、筋緊張による血圧維持の練習を行った。次にエクスポージャーの計画を立てた。しかし、恐怖対象に関する話し合いは不可能で、不安階層表は治療者側が作成したものになった。治療目標としていた採血行為が行えるようになるためには、替え歌を利用したことばに対するエクスポージャーと、3回の現実エクスポージャーセッションが必要であった。セルフエクスポージャーをするようになり、1年後は医療従事者としての仕事が可能な水準まで到達した。
著者
岡嶋 美代 原井 宏明
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.171-183, 2007-09-30 (Released:2019-04-06)

特定の恐怖症の血液・注射・外傷型は血管迷走神経性失神という特有な反応を伴う。これに対し筋緊張とエクスポージャーを用いた行動療法(applied tension)が有用とされる。この論文は注射恐怖の20代女性患者に対する行動療法の報告である。失神の予防が重要であること、重症例に対する治療には工夫が必要であることを論じた。症例は小児期から注射恐怖があり、受診時には注射だけでなく、恐怖対象に関連した写真や医療行為全般を見ること、恐怖対象を表現することばを読み書きすること、話したり聞いたりすること、また思い浮かべることも避けていた。治療当初、筋緊張による血圧維持の練習を行った。次にエクスポージャーの計画を立てた。しかし、恐怖対象に関する話し合いは不可能で、不安階層表は治療者側が作成したものになった。治療目標としていた採血行為が行えるようになるためには、替え歌を利用したことばに対するエクスポージャーと、3回の現実エクスポージャーセッションが必要であった。セルフエクスポージャーをするようになり、1年後は医療従事者としての仕事が可能な水準まで到達した。